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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十二章―明かされる因縁―#6
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、話しておいた方がいいかもしれない。
「私は───自分の神託の意味を知っているんです。神託に使われた言葉が、エルディアナ語ではなかったというだけで────あれは…、不完全な神託などではありません」
「そうなのか…?」
「ええ。私は…、イルノラド公爵家の誰にも伝えていなかったけれど、“記憶持ち”です。あれは───あの言葉は…、私の前世の故郷の言葉なんです」
公子────ファルロが眼を見開く。
「確かに…、大人びた子供だとは思っていたが────何故、言わなかったんだ?」
「私の前世の故郷では、“記憶持ち”は…、少なくとも表立っては存在していませんでした。そのため、私は前世の記憶があることを異常なことだと認識していたので────誰にも告げませんでした」
今思えば────私は…、結局のところ、両親のことも───使用人たちのことも、ただ信用していなかったのかもしれない。
「だから…、神託を受けたとき────私には、その言葉の意味がすぐに解りました」
「どういう意味なんだ…?」
「そうですね…、この国の言葉で言うならば────“女性の神官”です」
「神官…」
まあ、あのとき、神託の内容をあの人たちに伝えたところで────どの道、公爵閣下と公爵夫人の期待には沿えなかっただろうけど。
だけど────私がファルロに今伝えたいのは、そんなことではなかった。私は再び口を開き────問いかける。
「不思議に思いませんか?何故、私が授かった神託が…、私の前世の故郷で使われていた言語で告げられたのか────」
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