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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十二章―明かされる因縁―#5
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終わりそうだ。
「魔獣は、稀に魔石が複数できることがあります。手足の付け根にできていることもありますので、切り分けるときは、念のため、ゆっくり慎重に行ってください」
説明している傍から、ナイフを入れた肩の部分に魔石があるのが視えた。その稀なケースのようだ。
私は、オーガの肉の浅い位置を皮膚ごと、丁寧に切り開いていく。まあ、浅い位置と言っても、巨大化と変貌によって上半身が膨張しているので、大型ナイフが柄まで埋まるくらいには深く刺しているのだけど。
ナイフを進めていくと、肉に埋もれた魔石に辿り着いた。私は刃先を使って、魔石を傷つけないように肉から掘り出す。
その魔石を手に取ったとき────私は、ふと違和感を覚えた。
これは、おそらく【純魔石】には違いないと思うが、所持しているものとは、何処か違う気がした。
【
心眼
(
インサイト・アイズ
)
】は発動したままだ。その魔石をじっと視ていると、分析結果が現れる。
【純魔石】
魔物に大量の魔素が注がれることによってできた魔石。魔物の魔力のみが凝固された通常の魔石より、含まれる魔素の量が多い。注がれた魔素のみで構成されている。魔力を何度かに分けて注がれたために、魔素が斑な状態で凝固されている。
魔力が何度かに分けて注がれた────?
以前手に入れた【純魔石】と違う────あれは、一度に一気に魔力が注がれ、魔素が均等に凝固していた。おそらく、あれが────ディルカリド伯爵家が、これまで魔石を手に入れるために、やってきたやり方のはずだ。
まさか────実験している?
魔力の注ぎ方を変えたりして、出来上がる魔獣の傾向を確かめているの…?
そこまで考えが及んだとき────背筋に寒気が走った。
今朝、皆に語った私の推測が───今考えたことが正しいなら…、ディルカリド伯爵たちは────新たな“怪物”を、この世に生み出そうとしている。
今のところ、彼らに生み出された魔獣は、レド様や私の脅威ではない。
だけど────強さの問題ではなく…、感情のまま、そんな大それたことを仕出かそうとしていることに────心の底から、ぞっとしてしまったのだ。
「リゼ?」
私の様子がおかしいことを見て取ったレド様が、心配そうに私を呼ぶ。話すのは、後の方がいいだろう。
今は、切り分けるのを終えてしまわなくては────
◇◇◇
魔獣の切り分けを終えた後────私たちは荷馬車に魔獣を載せるのを手伝い、結局、最後までその場に残っていた。
ベルロさんの商隊は、先に皇都に向かったので、すでにいない。
何度か往復した荷馬車に最後の魔獣の一部を載せると、一緒に魔獣を載せる手伝いをしていた冒険
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