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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十一章―ファルリエムの忘れ形見―#3
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分に、親指の関節ほどの魔術式が彫り込んでありますので───“氷姫”を嵌め込んで、この魔術式に指を数秒当てていれば───指から魔力を吸い上げ、“氷姫”へと流れ込み、魔術が発動するようになっています」

 杖を握ると親指の腹が当たるように、魔術式の位置を考えてある。

「それは────すごいですね…」

 セレナさんが驚いたように呟き、眼を瞬かせた。

 セレナさんは、早速“氷姫”を杖に嵌め込む。そして、魔術式に指を当てようとしているので────私は慌てて止めた。

「ちょっ───駄目です、セレナさん!ここで魔術を発動させるつもりですか…!?」
「あ…!」

 セレナさんは我に返ったらしく、急いで魔術式から指を遠ざける。

「す、すみません…。私…、その、夢中になってしまって…」

 いたたまれなそうに、身を縮こまらせて───セレナさんは謝罪の言葉を口にする。

「いえ、そんなに落ち込むことはないですよ。試してみたくなってしまったんですよね?それでは、何処か、魔術を験せるようなところへ行きましょうか」

 セレナさんが必要以上に気にしないよう、なるべく優し気な声音で言葉をかけると───セレナさんは、少し驚いた様子で顔を上げた。

 さて────何処に行けばいいかな。

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