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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十一章―ファルリエムの忘れ形見―#3
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件ですが───まずは、新しいお邸についてですね。何か、絶対設えて欲しい設備や、自室に関して要望はありますか?」

 私が訊ねると、三人は目を丸くした。

「…私たちの要望も取り入れてくださるのですか?」

「ええ。これから造るので、ある程度なら融通が利きますから。何かありますか?例えば、自室に本棚が欲しいとか、ベッドは出来るだけ大きい方がいいとか」

 私の言葉を受けて、ヴァルトさんが真っ先に口を開いた。

「ワシは、やはり───思いきり戦っても大丈夫な頑丈な調練場だな」
「それは、もう予定に入っています。何組か同時に手合わせできるくらい広くて、魔術を放っても壊れない特別製ですからね。ヴァルトさんも気に入ると思いますよ」
「そりゃ楽しみだ」

「自室については何かありますか?」
「特にはないな。ベッドさえあればいい」

 ヴァルトさんは、オーソドックスで良し───と。

 今のお邸の一人部屋と同じでいいかな。ドレッサーは使わないだろうから、それは抜きで。

「セレナさんとハルド君は?」
「オレは特には…。自室も最低限の家具があればそれで」

 ハルド君も、オーソドックスで良し───と。ヴァルトさんと同じ規格でいいかな。

「私は…、本当にいいのなら、本棚を入れて欲しいです…」

 セレナさんが、ちょっと申し訳なさそうに───遠慮がちに答える。

「解りました。大きさはどれくらいがいいですか?」
「その…、今は手持ちの本がそんなにないのですが───増えても大丈夫なように…、できるだけ大き目にして欲しいです…。駄目ですか…?」
「勿論、大丈夫ですよ。解りました。なるべく、大きめに造りますね。あ、どんな本棚がいいですか?ガラス戸をつけたりもできますよ」
「それなら、ガラス戸をつけてもらいたいです…」
「解りました」

 セレナさんは、ガラス戸付きの大き目の本棚を付ける───と。
 きっと、ドレッサーやクローゼットも、ちゃんとしたものがいいよね。

「家具や壁紙などのディティールは、どんなの感じにしますか?こう───シンプルなのがいいとか、フェミニンにしたいとか…」
「…それなら、その…、フェミニンなのがいいです」

 セレナさんは───恥ずかしそうに、頬を仄かに赤く染めて答える。

 何と言うか───とても可愛い人だな。
 私の周りには、今までにいないタイプだ。

 セレナさんは、私の護衛を兼ねた侍女となる予定なので───できれば、気軽に話してもらえるくらい打ち解けたい。

 ちなみに、ハルド君はレド様の侍従、ヴァルトさんはレド様直属の騎士となる予定だ。

「解りました。フェミニンな感じですね」

 後で、シェリアやラナ姉さんに相談してみようかな。
 女子メ
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