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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十一章―ファルリエムの忘れ形見―#3
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元を緩めた。
レド様のそんな様子が微笑ましく感じて、私も口元が緩む。
「ラムルは、孤児院か。ここまでの案内、ご苦労だった」
「有難きお言葉です」
「では、俺は行く。リゼ───くれぐれも無理はしないようにな。レナス、リゼを頼んだぞ」
「は、お任せください」
私の手を握って心配そうに言うレド様に、私は苦笑を浮かべた。
一度レド様に怒られてから、あまり無理しないように気を付けてはいるものの───まだまだ信用は取り戻せていないようだ。
「リゼ───また後で」
「はい、レド様」
「ジグ、行くぞ」
「は」
ジグがレド様の側に寄ると、レド様は私の手を名残惜しそうに離して、【
転移
(
テレポーテーション
)
】を発動させた。
この土地自体に【
認識妨害
(
ジャミング
)
】をかけたままなので、誰かに見られる心配はない。
「それでは、リゼラ様、私もこれで」
「あ、待ってください、ラムル。ちょっと試したいことがあるので、孤児院に送らせてもらえませんか?」
「それは構いませんが…」
私は、ラムルに向き直ると───ノルンと共に編み上げたオリジナル魔術を発動させた。ラムルの足元に魔術式が展開して、光を放つ。
これは、簡易的な【
転移門
(
ゲート
)
】で────設置済みの【
転移門
(
ゲート
)
】へと跳ぶことができる。
孤児院の【
転移門
(
ゲート
)
】へと繋げると、ラムルの姿が掻き消えた。
≪ラムル、無事、孤児院に着きましたか?≫
≪はい、孤児院へと転移しました。ありがとうございます、リゼラ様≫
≪いいえ。子供たちをお願いします、ラムル。それでは、また後で≫
≪はい、お任せください≫
よし、オリジナル魔術は成功だ。後は────これを皆が使えるように、身に着けられる何かを創って、落とし込むだけだ。
私とレド様以外は【
転移
(
テレポーテーション
)
】を使えない。
でも、この魔術があれば────私たちと一緒じゃなくても、皆も、多少制限はあるが、もっと自由に移動できるようになるはず。
それに、これなら───お邸に直接、跳ぶことができる。
「それでは、レナス。私たちも行きましょうか」
「はい」
◇◇◇
「お休みのところ、押しかけてごめんなさい」
セレナさんたちが滞在している宿屋『月光亭』に赴くと───ヴァルトさんとハルド君の部屋に、セレナさんも一緒に待機していてくれていた。
「いいえ。わざわざ、来てもらってしまってすみません」
一昨日の集落潰しの際、刃毀れしてしまったヴァルトさんとハルド君の武具を研ぎに出しているので───今日は依頼を受けたり狩りには行かないとのことで、こうして訪問させてもらった。
「今日の用
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