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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十一章―ファルリエムの忘れ形見―#1
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願い出た。
「お前のその気持ち─────とても有難く思う。俺に仕えてくれるというのなら、それは願ってもないことだ」
レド様は、有難いと思う自分の気持ちを───ベルネオさんの決意を噛み締めるように、応える。
「だが…、主従の契りを交わす前に────あちらの部屋に控えている者たちに会わせてもらえるか」
レド様が部屋の奥に設えられている扉を指して、言う。
確かに、あの扉の向こうに人の気配がする。いるのは、二人。殺意や敵意は感じられない。
「さすがです、ルガレド様。気づいておられたとは────」
ベルネオさんが、驚いたというより───嬉しそうな声音で言う。ベルネオさんの言葉が終わらないうちに、件の扉が不意に開いた。
扉から出てきたのは────真っ白な髪と髭を湛えた老人と言って差し支えない年齢の男性と、まだ成人していないであろう白銀色の巻き毛の少年。
二人の出で立ちとしては、執事と貴族の令息だ。
貴族の令息のような格好をしたその人物は、私を見つけると無邪気な笑みを浮かべ、こちらに向かって駆け出した。そのまま、止まることなく私に抱き着く。
そして、想い人とやっと再会できたかのような───切なげな表情で私を見上げて、言葉を紡ぐ。
「逢いたかったよ…、リゼ」
その行動の意図を悟って────私は溜息を
吐
(
つ
)
いた。
レド様と姿をくらませているジグとレナスが、一気に剣呑な空気を纏う。
「エル?いい加減にしないと、怒るよ?」
「やだな───逢いたかったのは本当だよ。リゼが逢いに来てくれるのを、僕はずっと待ってたんだから」
私が声音に怒りを滲ませても、銀髪の少年の格好をした───エルは私の怒りになど怯むことなく、無邪気に応える。
「まったく、もう…」
「リゼ…?そいつは────誰だ…?」
レド様の声音が、地を這うように低く───冷たい。
ほら、誤解されてしまった…。
私はレド様の問いに答えるべく、口を開いた。
「この子は────エルラ。私が知る限りでは、今、巷で人気のウォイド劇団の看板
女
(
・
)
優
(
・
)
です」
そう、私が知るエルは、共に扉から出てきた年配の男性───ウォイドさん率いる劇団の人気女優だ。
それが────まさか、ファルリエム辺境伯家所縁の者だとは思ってもみなかった。
だけど、こうして少年の格好をしていると、レド様より癖の強い銀髪だし、瞳の色も違うけど───レド様と面影が似通っている。
レド様の弟だと言われたら、普通に納得してしまいそうだ。
私の答えに、レド様が眼を見開いた。ジグとレナスも、驚愕している気配がする。
まあ───驚くのも無理はない。
エルの
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