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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十章―見極めるべきもの―#6
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んのおかげだと言っていた。さすが、Sランカーだと。だから、素直に受け取れ」
ガレスさんは、私の頭を叩くように撫でて、朗らかに笑った。
その笑顔と大きな手の優しい感触に、私の落ち込んでいた心も軽くなる。
「この後、皆で打ち上げに行くそうだ。お前さんはどうする?」
「行きたいのはやまやまですが────レド様も待っていてくださるし、帰ります」
「ま、そうだろうな。…あいつら、がっかりするだろうな」
「皆さんによろしく伝えておいてください」
「解った」
ギルドの応接室を辞して、1階に降りると────ほとんど人がおらずガランとしていた。
「リゼ姉さん!」
「待たせてごめんね、アーシャ。それじゃ、帰ろうか」
「うん!」
「それでは、セラさん。私たちは帰ります。何かあったら、連絡ください」
「解りました。────お疲れ様でした。ゆっくり休んでくださいね」
「ありがとうございます、セラさん」
セラさんに挨拶をして───アーシャを伴って、扉へと向かおうとしたときだった。
背後から────遠慮がちに声をかけられた。
「あの…、リゼラさん」
振り向くと、セレナさんが申し訳なさそうな表情で立っていた。後ろには、ハルド君が控えるように寄り添っている。
ヴァルトさんは、治療のためにいないのだろう。
「今日はご苦労様でした───セレナさん。打ち上げには参加されないのですか?」
「ええ…。ああいったお酒の場は、苦手なので…」
セレナさんは、困ったように微笑む。確かに、見るからに苦手そうだ。
まあ、私も人のことは言えないけど。前世で、お酒を飲んで騒ぐような親戚の集まりとか苦手だったし。
セレナさんは、困ったような笑みを消して────真剣な表情に改めた。
「あの…、少し、お話しすることはできないですか…?」
◇◇◇
セラさんを通して、ガレスさんに許可をもらい───ギルドの応接室を借りる。
私は、アーシャと姿をくらませているレナス、セレナさんとハルド君を伴って、応接室へと戻った。
「それで、お話とはどういったことでしょう?」
向かいのソファに腰かけたセレナさんに、問いかける。
「まずは────先程は、助けていただいてありがとうございました」
セレナさんは、そう言って律儀に頭を下げた。
私の判断が甘かったせいで、危険に曝してしまったようなものだし、そんな風に感謝されてしまうと────少しいたたまれない。
「いえ───こちらこそ、大事な品を貸してくださって、ありがとうございました」
エルダニア王国発祥の魔術陣を仕込んだ魔石を使っての魔術を施行してみるのは、いい経験になった。
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