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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十章―見極めるべきもの―#6
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魔力を流した。
私の前方に、50cmほどの魔術陣が無数に浮かび、一つの魔術陣から、刃渡り50cmほどの氷の刃が勢いよく飛び出す。
氷刃はその勢いのまま、魔獣に迫る。
先程、セレナさんが放った魔術は、魔獣を斬り裂くことができなかった。
きっとこれも斬り裂くことはできないだろうと思い、牽制のつもりで放ったのだが────
氷刃は、魔獣のその硬い皮膚を斬り裂き────あるいは突き刺さった。魔獣は、悲鳴とも怒りともつかない叫び声を上げた。
あれ────何で?
そんな疑問が過ったものの───私はすかさず、再び魔力をメダルに流す。
今度は、牽制ではなく、止めを刺すつもりで───もう少し多めに魔力を籠める。目の前に現れた魔術陣は一つだけだったが、直径1mほどあった。
魔術陣から───魔術陣に比例するのか、1mほどの氷の槍が飛び出て、真っ直ぐに魔獣の首へと向かっていく。
氷槍は吸い込まれるように、魔獣の首を貫いた。魔獣は断末魔を上げることなく、ゆっくりと後ろへと傾いていった─────
◇◇◇
「リゼ、本当によくやってくれた。お前さんがいてくれなかったら、どうなっていたことか…」
ガレスさんが、疲れた様子で言葉を漏らすように言う。
あれから────集落の解体作業、オーガや魔獣の遺体の運搬、撤去作業で、結局夕方近くになってしまった。査定は、バドさんたちの解体待ちだ。
魔獣に吹き飛ばされたタンクたちやディドルさん、ヴァルトさんとドギさんは、多少のケガを負ったものの、命に別状はないようだった。
アーシャもケガを負っていたが───レナスがこっそり支給品のポーションを飲ませてくれて全快してしまったので、軽傷だった振りをしている。
「いえ。今回のことは────オーガロードの件に関しては、私の不覚です。オーガの殲滅を終えたとき、集落の解体や撤去作業より、オーガロードの捜索を先にすべきでした。皆さんを危険に曝してしまった…」
「…本当に真面目な奴だな、お前さんは。そう言うが────あの時点でそれはできなかっただろう。動ける者は低ランカーしかいなかったし、発見できてもどうしようもなかったはずだ」
ガレスさんはそう言ってくれるが、私は動けたし、人目がなければ幾らでもやりようがあったのだ。
今思えば────私一人で捜索に向かうのが最善だった。
「お前さんは、何か勘違いしているようだがな。あの規模の集落を、Bランカーしかいない状況で───大したケガ人を出さずに殲滅できただけでも快挙なんだぞ」
「それは、皆さんが頑張ってくれたからです」
「…まだ、きちんと話を聴けていないがな。皆───殲滅できたのも、死者が出なかったのも、お前さ
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