暁 〜小説投稿サイト〜
コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十章―見極めるべきもの―#5
[5/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
暁の泉』とアーシャに任せ、遊撃に転じる。

 『リブルの集い』に群がるオーガの数が多く、手間取り始めているようだったので───そちらへと斬り込む。

 ある程度数を減らすと、また別の場所へと向かった。


 不意に、閃光が迸る。

 視線を遣ると───『氷姫』を囲っていたオーガが、三人を中心にして扇状に倒れ伏していた。オーガの上半身には───無数の氷片が突き刺さっている。

 あれが────セレナさんの魔術か。

 魔術の範囲外にいて無事だったオーガがセレナさんに襲い掛かろうとするが、ヴァルトさんとハルド君がそれをさせない。

 特に、ヴァルトさんは───その膂力で一刀の下、瞬く間に数頭のオーガを斬り倒していった。


◇◇◇


「よう、お疲れさん」

 オーガの殲滅をし終えて、少し離れた所で待機していた荷馬車数台と後片付けの助っ人たちを招き入れると────同伴していたガレスさんに声をかけられた。

「他の奴らは?」
「あちらで休んでもらってます」

 私以外の参加者は、中央の見張り台の周囲で、それぞれパーティー、チームごとに座り込んで、応急手当をしている。

 エイルさんとジスさんは『黄金の鳥』と一緒に座り───ディドルさんは皆から少し離れたところに一人で座っていた。

 アーシャもさすがに消耗していたので、『黄金の鳥』のレナさんの傍で休ませている。

「…皆、無事のようだな」
「いえ───5人ほど、ケガ人が出てしまいました」

 幸いなのが、骨折や裂傷だけで───四肢が切断したり、内臓が潰れるような酷いケガではなかったことだ。
 これなら───“施療院”で治療してもらえば、すぐに復帰できるだろう。

 “施療院”は、回復を促進させる魔術陣を使って治療をしてくれる、“病院”のような施設だ。
 自然治癒などより、はるかに治りが早い。ただ───その分、治療費はちょっと高くつくけど。

「いや、この規模の集落だ。下手すりゃ死人が出たっておかしくない。よくこの程度のケガ人だけで済んだものだ」

 ガレスさんは、安堵したように息を吐き────しみじみと呟いた。

「ええ、さすが、皆さんBランカーですよね。ガレスさん、存分に労ってあげてください。きっと、喜びますよ」

「……お前さんは、休まなくていいのか?」
「私は、家や塀の解体を手伝ってきます」
「それは、オレたちに任せておけ。お前さんだって疲れているだろう?」
「気遣ってくれてありがとうございます。だけど────撤去作業を急いだ方がいいと思うんです」

 私がそう言うと、ガレスさんは顔色を変えた。

「どうしてだ?」
「この規模の集落なのに、オーガロードが見当たらなかったんです」
「…稀だが、いな
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ