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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十章―見極めるべきもの―#4
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な時間はありませんので」
「ええ〜、いいじゃないか。皆が集まるまででいいから!な?な?」
「駄目です」

「ははっ。ばっさり断られてやんの。いい気味だな、ジジィ」

 さっきのことを根に持っているのか、後ろでハルド君が笑っている。


「あ───誰か、到着したようですね」

 3人のソロ冒険者のうちの2人だ。

 どうやら、連れ立って来たわけではなく───ただ一緒になってしまっただけのようだ。どこか気まずそうな雰囲気を漂わせている。

 顔見知りのソロ冒険者───エイルさんが、私たちを見つけて、ほっとしたような表情を浮かべた。


 エイルさんは、“ソロ”と言っても───単独で依頼を受けるわけではなく、助っ人として臨時でパーティーに参加する“サポーター”だ。
 得物も、槍と弓、大振りの短剣───と、参加するパーティーの状況で使い分けているようだ。

 下がり気味の目尻のせいで、あまり強そうな印象はないが───意外と体格がいい。

 共闘する3つのパーティーとは、知らない仲ではないはずだが───“氷姫”とはどうなのだろう。

「ご苦労様です、エイルさん。皆さんとは面識は?」
「…あります」

 ちょっと緊張気味に、エイルさんが答えてくれる。

 エイルさんは、私と相対するときはいつもこんな風に緊張している気がする。ランクのせいか───それとも私が苦手なのか…。


 私は、エイルさんと一緒に来たもう一人のソロ冒険者に目を向ける。

 レナスより少し年上の厳つい顔立ちの男性で、寡黙な感じだ。
 得物は大剣で────エイルさんより筋骨が目立つ。

「ご苦労様です。…お名前を訊いても?」
「……ディドルだ」

 ディドル────その名前に聞き覚えがあった。

 その隙のない佇まいと、灰色の髪と鷹のように鋭い緑眼、それに───背に負う大剣を見て確信する。

 間違いない────“バルドア傭兵団”の“戦闘狂のディドル”だ。

 何故、冒険者に転身したのかは判らないが────それには触れない方がいいだろう。

「よろしくお願いします、ディドルさん」
「ああ」

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