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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十章―見極めるべきもの―#4
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 初見のソロ冒険者2人と『氷姫』の3人には大なり小なり驚きが見られたが────誰にも不満は見受けられなかった。

 私はまだ十代の───しかも女なので、私が上に立つことに不満を覚える者がいてもおかしくはない。

 そういった者がいると、作戦に支障を来たしかねないので───いないことに安堵した。

「早速ですが───何処かケガをしている人、体調に不良を抱えている人はいますか?」

 言いながら、こっそり【心眼(インサイト・アイズ)】を発動させて、全員を見回した。
 全員が首を横に振った通り───皆コンディションは悪くないみたいだ。

「何か、質問や確認しておきたいことはありますか?」

 これも、全員が首を横に振った。

「それでは、一旦解散して、エギドの森の入り口で落ち合うことにします。準備が調い次第、出発してください」


 私の言葉に従って、集まっていた冒険者たちが離れていくのを横目に見ながら────私は、ガレスさんに再び向き直った。

「ガレスさん、準備を調えたいので、会議室を借りてもいいですか?」
「おう、いいぞ。────セラ、悪いが開けて来てくれるか?」
「解りました」

 セラさんはそう言うと、カウンターから出て行った。


「ところで、アーシャも連れて行くのか?」

 ガレスさんは、アーシャが私の護衛となったことを知っている。

「ええ。アレドは、どうも私一人で狩りに行くのが心配なようで────これからは、アレドがいないときは、アーシャが同行することになると思います」
「Sランカーのお前さんに護衛とは────随分、大事にされてんな」

 ガレスさんの呆れた様子に、私は苦笑いが浮かぶ。

「アーシャは、Cランクだったよな。連れて行って大丈夫か?」
「ご心配なく。今のアーシャなら、足を引っ張ることはありません」

 アーシャは、戦闘に関してセンスがあるし───冒険者パーティーの一員としてではあるが、魔物だけでなく魔獣の討伐もすでに経験している。

 それに───私が創った【記念のピアス】の劣化版での身体能力強化に加え、ラムルとカデアとの戦闘訓練によって察知能力も向上し───無駄な動きも減った。

 鍛練で手合わせしている限りでは───この短期間で、アーシャの腕前はかなり上達している。

 その上───刃毀れすることのない魔剣を持たせているので、魔物や魔獣の討伐でも有利に動ける。

 今のアーシャなら────単独でも魔物に引けは取らないはずだ。

「そうか。お前さんがそう言うのなら、大丈夫だな。────あいつらのこと、頼んだぞ」
「解りました」

 ガレスさんの言葉に頷いたとき───セラさんが階段を下りてくるのを、目の端に捉える。


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