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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十章―見極めるべきもの―#3
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 それは、確かにそうかもしれない。

 だけど、まあ────程々にするようにしなければ。嫉妬に狂って、レド様に嫌われるようなことにはなりたくない。

「ありがとう、レナス」

 気遣ってくれたレナスに気持ちを返したくて、私は笑みを向けた。


(マスター)リゼラ、(マスター)ルガレドが私がお邸に行くことを許してくれました!」

 レド様から離れたノルンが、再び私の許へ来て───私の腰に抱き着く。
 私はさっきの嫉妬のことなど忘れ、その微笑ましい様子に笑みを零した。

「ふふ、それじゃ、今日はお邸に一緒に帰ろうか」
「はい!一緒に寝てもいいですか?」
「勿論」

 はしゃぐノルンが可愛くて、ノルンの頭を撫でていると────ヴァイスが寄って来て、私を見上げた。

「我が姫、我も一緒に連れ帰って欲しい。我も、我が姫に侍りたい」
「え?でも───ヴァイスは、精霊獣の長なのでしょう?森を離れて大丈夫なの?」
「この森は原初エルフの結界で護られているし、アルデルファルム様もおられる。我がいなくとも、大丈夫だ」

<<<ヴァイス───それなら私だって、森を出て、ルガレドの傍に侍りたいです>>>

 アルデルファルムまで、そんなことを言い出してしまった。

「いや───前にも言っただろう、アルデルファルム。その気持ちは嬉しいが───アルデルファルムが邸に来るのは無理だ。大騒ぎになる」

 レド様が慌てて口を挟む。

 アルデルファルムはレド様の言葉に、しょんぼりと項垂れた。可哀そうだけど、こればかりは仕方がない。

「我なら、行っても良いだろう?神竜の御子よ」

 ヴァイスがレド様に期待の眼を向けるが────レド様はにべもなく首を横に振った。

「いや、お前は駄目だ、ヴァイス」
「何故だ?」

 確かに、何で?

「お前、リゼに四六時中つきまとうだろう?────二人で過ごす時間が無くなる。絶対に駄目だ」

 レド様…。

「ほら、リゼラ様。オレの言った通りでしょう?リゼラ様の嫉妬など、可愛らしいものですよ」
「そうかもしれないです…」

 レナスの言葉に、私は苦笑して頷いた。

 まあ、でも、確かにレナスの言う通り、嫌な気はしない。

 それだけ────レド様は私との時間を大事にしてくれているということなのだから。



「姫…、わたしも一緒に行きたいです」
「ボクも!」
「それなら、私だって」

 いつの間にか、私の肩に戻っていた栗鼠のような精霊獣───ローリィが言い出したのを皮切りに、肩や頭に舞い戻って来た小型の精霊獣たちだけでなく、狼型や豹型の子たちまで次々に言い出す。

「でも、皆、森から離れることになってもいいの?」

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