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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第二十章―見極めるべきもの―#1
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の外だ。皇妃一派の腰巾着に何をされるか判ったものではなく───馬も可哀相だ。

 かといって、そこまでロウェルダ公爵家に頼るわけにもいかず、ギリギリになってから購入するしかないと考えていた。

 だけど、私が精霊獣と【契約】したことで解決の糸口が見えた。

 精霊獣の中に、馬型の子が数頭いたのだ。お願いしてみたところ、私たちを乗せて走ることも、馬車を引くことも快く承諾してくれた。

 その子たちは、古代魔術帝国では“水晶角馬(クォーツコーン)”と呼ばれていた通り、水晶のような角を持つ黒い一角馬だ。

 ドリルのように捩じれている立派な角は、私と【契約】したことにより、蒼い魔水晶(マナ・クォーツ)のようになっていて、漆黒の毛並みと相俟って神秘的な美しさがある。

 勿論、角は認識されないように、策を講じるつもりだ。

「何事も無ければ、予定通りに精霊獣たちに頼むつもりです。ですが、不測の事態を考え、そのまま確保していてくれるようにお願いしたのです」
「そうか。何なら、代金を払っておいてくれても構わない。馬は需要があるから、もし不要になっても、売り払うことができるだろうからな」

 あ───まずい流れになってしまった…。
 私はできるだけ表情を落として言う。

「いえ、それは大丈夫です」
「……リゼ?」

 ああ、やっぱりレド様はごまかされてはくれなかった…。

「確保を言い出したのは私です。当然、私が支払うべきですし、レド様が先程仰った通り、馬は需要があるので、負債になることはありえません。ですから、気になさらないでください」
「気にするに決まっているだろう。リゼが負担を負うのは、看過できない。
ラムル───後で、金額を教えてくれ」
「かしこまりました」

 ラムルが、何だか満足げな表情で応える。もしかして────わざと馬について言及した?

「いや、レド様、本当に大丈夫ですから…!私の知り合いがちょうど馬を欲しがっていて、その人にはお世話になったので、お礼も兼ねて安く払い下げるつもりなんです」
「解った。不要になった場合は、リゼの知り合いに安く払い下げればいいんだな?」
「いえ、ですから───レド様に払っていただくわけにはいかないという話で────」

「リゼが世話になったというのなら、婚約者の俺がお礼をしても問題はないはずだ」
「ありますよ!」
「リゼラ様、ここは黙って、旦那様に支払っていただくべきです。男なら、大事な女性に支払いをさせるなど、言語道断なのです」

 もしや、レド様が私に頑なに支払いをさせようとしないのは───ラムルの教育の賜物?


◇◇◇


 ロルスの授業を受けるレド様と侍女修行をさせてもらうアーシャと共にロウェルダ公爵邸に跳び───シェリ
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