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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十九章―誓いと祝福―#3
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ように興奮した声を上げる。
 ああ───レド様のお顔が、また…。

「お待たせいたしました」

 そのとき───塔の孤児院側の扉が開いて、ラムルとカデアが入ってきた。

「ラムル!カデア!」

 私は二人に満面の笑みを向ける。

 ラムルもカデアも、私の表情とレド様の表情、それに私たちの立ち位置から状況を察したみたいで────剣呑な眼でレド様を見た。

「…坊ちゃま?一体、何をしておいでで?」
「旦那様───大事な女性を困らせるなど、言語道断ですよ。…まったく情けない」
「う…、いや、その…」

 レド様には悪いけど、私は安堵の溜息を吐いたのだった。


 ラムルとカデア、それに姿を現したジグとレナスをラナ姉さんに紹介し、皆にラナ姉さんを紹介する。

「ラナと言います。よろしくお願いします」
「こちらこそ、どうぞよろしく。貴女のお針子としての腕については聞き及んでいます。随従してくれるとはありがたい。それに───リゼラ様も、姉のような存在である貴女が来てくれれば、お心強いことでしょう」

 ラムルが、代表して応える。ラムルの最後に加えられた言葉は、私を思いやってくれているのが判って、嬉しくなった。

「ラナ───お前には、リゼの専属侍女を任せたい。そして────お針子として、俺たちの服装についても一任したい。やってくれるか?」

 紹介が済むと、レド様が進み出て────ラナ姉さんに問いかけた。

「謹んで────お受けいたします」

 ラナ姉さんは、決意を浮かべた強い眼差しをレド様に向けた後───恭しく頭を下げて、凛とした声音でそう答えた。

 次の瞬間────ノルンの声が響き渡る。


配下(アンダラー)】を認識───発動条件クリア───【契約魔術(コントラクト)】を発動します…


 いつもの【契約】が始まり────こうして、ラナ姉さんは私たちの仲間となった。


◇◇◇


「加護と祝福───ですか?」
「ええ。ここにいる皆には授けておきたいと思いまして」

 加護を授ければ、少しは安心だ。それに、祝福は確実に(たす)けになる。固有能力も、一助になるようなものを授けられるかもしれない。

「それは…、いただけるなら────とても、ありがたいことです」

 ラムルが言い、皆も頷いてくれる。

「…鳥───リゼが加護を与えられるのは、神に次ぐ位階の魂魄を持っているからだよな?それなら、俺でも授けられるのか?」
<まあ、お前でも加護を与えることはできよう。だが───おそらく、お前では能力を授けることはできないだろう。我が神子が、先程そちらの娘を呼び寄せたのを見て解った。能力を使い熟すことができる我が神子だからこそ───能力を授けることが
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