暁 〜小説投稿サイト〜
コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十九章―誓いと祝福―#1
[4/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
したように微笑む。

「それでは、【最適化(オプティマイズ)】してしまうか」
「…そうですね」

 また醜態を晒してしまいかねないので、レド様を直視しないように視線をずらして頷く。早いところ、レド様に着替えてもらわねば…。

 【最適化(オプティマイズ)】を済ませ、着替えることを提案しようとした矢先────ラナ姉さんが、意を決したような表情で、口を開いた。

「殿下───礼服は、ご満足いただけたでしょうか?」
「ああ…、とても気に入った。俺のも───リゼのも、想定していた以上の出来だ」

 嬉しそうに答えるレド様とは裏腹に、ラナ姉さんの表情は強張ったままだ。

 どうしたんだろう、と心配が募ったとき─────ラナ姉さんが、レド様に向かって頭を下げた。

「それならば、殿下────どうか、わたしを専属として雇っていただけないでしょうか」

「ラナ姉さん…!?」

 突然の申し出に、私は思わず声を上げた。

 レド様は、表情を引き締め────ラナ姉さんに問い質す。

「俺が───今度の辞令式で、辺境に追いやられる可能性が高いことは知っているはずだ。それは、辺境に共に赴く────ということか?」

「はい。お針子としてだけでなく────アーシャのように、リゼの侍女と兼任でも構いません。何でもします。ですから────どうか、共に連れて行ってはいただけないでしょうか。
わたしは────リゼの傍にいて…、支えたいのです」

 ラナ姉さんの言葉に、私は眼を見開く。

 ラナ姉さんが、私を妹のように可愛がってくれているのは判っていたけれど────そこまで思ってくれているとは、考えてもみなかった。

「俺たちが赴く辺境の地が────危険な場所だとしてもか?」
「覚悟の上です。わたしは、アーシャのように戦えない。ですが───服やドレスを創ることや手直しすることはできます。
リゼは、いずれ殿下の妃となる身です。わたしの技術は───これまで培ってきたものは、きっとリゼの役に立つ。この手で…、リゼを支えていきたいのです」

「ラナ姉さん…」

「この一月半───服を作る傍ら、わたしはこの公爵邸で、様々な行事や式典のドレスコード、それに化粧やヘアメイクの仕方を学ばせていただきました。必ずお役に立てるはずです。
ですから…、どうかお願いです、わたしも連れて行ってください…!」

 まさか、ラナ姉さんが────そんなことまでしていてくれたなんて…。
 その気持ちは、とても嬉しいけど─────

「……いいだろう。そこまで覚悟ができているというのなら────連れて行こう」

「レド様!?」

 レド様の言葉に驚いて、振り向く。

 ラナ姉さんは、アーシャの場合とは違う。辺境に連れて行くの
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ