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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十七章―密やかに存在するもの―#2
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<霊峰アルエンダルム>の【立体図(ステレオグラム)】を書き込み(ダウンロード)開始───完了
立体図(ステレオグラム)】を投影します────


 目の前に、半透明で、1?に収まるサイズの───今いる山そっくりの図形が現れる。

 【地図製作(マッピング)】という能力があることは知っていた。

 これまで、地面から魔素を探る技能【測地】を使っても発動しなかったので、どうやって発動させればいいのかな────とは思っていたのだ。

 【現況確認(ステータス)】で調べてみても、『地図を作製する能力』としか説明がなかったし。

 もしかして、【(アストラル)(・ヴィジョン)】と【測地】の両方を使えば良かったんだろうか。
 それとも───【解析(アナライズ)】と【測地】?


立体図(ステレオグラム)】の一部を、最新の情報に書き換えます───


 私が【心眼(インサイト・アイズ)】で視ている部分なのだろう───立体図に描かれた木々が形を変え、魔獣が描き加えられる。

「リゼラ様、これは…?」
「…レナス、この山は『霊峰アルエンダルム』というらしいですよ───古代魔術帝国では」
「……そうなんですか」
「やはり、何かしら起きるのですね」

 いや、これはただ【特殊能力】が発動しただけですから。


◇◇◇


「そうか────地図を作製できるようになったのか…」
「はい」
「それは、俺もできるのか?」

 能力も魔術も、性質の違いゆえか、私にしかできないものもある。

「どうでしょうか。レド様には神眼がありますし、できるのではないかと思いますが…。とにかく、今度、験してみましょう」
「そうだな」

 カデアの作ってくれた美味しい夕食を食べ終わり、レド様と私はお茶を飲んでいた。

 カデアが空いた食器をワゴンに載せ、ダイニングルームの端に設置された【限定転移門(リミテッド・ゲート)】へと向かう。

 これは、その名の通り、限定された【転移門(ゲート)】で───使用者に制限はないが、対となる【転移門(ゲート)】にしか移動できない。

 対の【転移門(ゲート)】は、勿論、孤児院の北棟の厨房に設置してある。

「この後はどうしますか?いつものように、サンルームに行きますか?」

 最近は、自室の脇にあるテラス代わりのガゼボで、エントランスホールの窓型ライトを夜仕様にして過ごすのも、お気に入りだ。

「…今日はもう休まないか?」
「え…」

 レド様に思ってもみなかった言葉を言われて、私は眼を見開く。

「魔物も魔獣も、かなりの数を狩ったと聴いている。リゼは疲れているのではないか?」
「ご心配ありがとうございます。ですが、私は
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