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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十六章―真実の断片―#5
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 アーシャの強い念押しに、私は苦笑を漏らして─────頷く。

 数年後、アーシャがどちらを選ぶにしても、私はその意思を尊重し────受け入れるだけだ。今はまだ見守っていよう。


◇◇◇


 夕食を用意するために、カデアがラムルとアーシャを連れて出て行き────厨房にいるのは、私とレド様、そして、ジグとレナスだけとなった。

「神竜人になったと言われても────正直、実感が湧かないな…」

 レド様は、ジグとレナスとじゃれ合ったことで、パニックになっていた気持ちが落ち着き、ようやく情報を呑み込むことができたみたいだ。

「正確には、まだ成っていないらしいですよ。レド様も私も、【契約】によって位階が上がった魂魄に合わせて、徐々に身体が創り替えられている途中だったのに、さらに位階が上がってしまったので────変化し終えるまで2年はかかるのではないかと、白炎様は仰っておりました」

「では、2年後には、完全に神竜人になるのか」
「ええ。そこで、おそらく肉体の老いも止まるだろうとのことです」
「リゼも?」
「はい」

 ジグとレナスは、私たちとは違い───私たちの魔力によって、魂魄と一緒に肉体が創り替えられ、もう変化を終えているとのことだった。

 同じく不老となったようで、もう姿が変わることはないみたいだ。

「これから、500年近く────おまえたちと過ごすのか…」
「何かご不満でも?」
「別に。随分────永い付き合いになるなと思っただけだ」
「そうですね。オレも、まさかそこまで永くルガレド様に仕えることになるとは、思いも寄りませんでしたよ」
「本当に。ですが…、ルガレド様が仰っていた通り────まだ、実感は湧かないですね」

 ジグとレナスと、しみじみと言葉を交わしてから────レド様は私に向き直って、私の頬にその大きな手を添えた。

「だが────リゼと、死に別れることなく…、ずっと共にいられるのは嬉しいな。残して逝くことにも、残されてしまうことにもならなくて────本当に良かった…」

「ふふ、私も同じことを考えていました。レド様をお一人にすることにならなくて────良かった、と」

 私は、レド様の手に自分の手を重ね────笑みを返す。

「ルガレド様?オレたちがいることもお忘れなく」
「…少しくらい、気を利かせろ」
「カデアに、ルガレド様からリゼラ様をお護りするように言われているので」

「……まさか────結婚するまで、二人きりにはさせないつもりではないよな…?」

 ジグとレナスは、ただ笑うだけで答えない。

「え、嘘だろ…?」

 レド様の愕然とした表情がおかしくて────つい、笑みが零れてしまった。ジグとレナスもつられたように、声を上げて笑
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