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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十六章―真実の断片―#3
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してみたのだ>

 白炎様は、そう言って私を見上げる。表情はないはずなのに、得意げに見えて────それが可愛くて、私は思わず微笑む。

「リゼラ様、それでは私どもは、孤児院の方に参ります」

 ラムルに後ろから言われ、私は白炎様から意識を移す。

「解りました。ラムル、カデア、子供たちをお願いします」
「はい、お任せください。────レナス、リゼラ様を困らせるなよ」
「心得ています」

 レナスが応えると、ラムルとカデアは、先に北棟を出て行った。

「私たちも移動しましょうか」

 左肩に白炎様を載せて歩き出す。白炎様は楽しそうに、また話し始めた。

<それとな、我は姿をくらませる術も覚えたぞ。これで、其方の傍を離れなくて済む>

 私と少しでも一緒にいるために?────白炎様のそのお気持ちに、私は嬉しくなる。

<ここのところ、練習のために、深淵を出て寺院の中を回っていたのだが───人間というのは、面白いな。色々なものがいて、特に幼い人間というのは見ていて飽きない。小さいくせに、何でも自分でやりたがって…、よたよたと歩いているのを見ると────こう…、手助けをしてやりたい気になるのは何故だろうな?>
「ふふ、可愛いですよね?」
<可愛いというのは────ああいうことを言うのか…>

 そんなことをしみじみ言う白炎様も、微笑ましくて可愛いですけどね。

<なあ、我が神子よ。其方は、彼奴らが大事なのだろう?もし───我がこの寺院を護ると言ったら、其方は喜んでくれるか…?>

 白炎様の言葉に、私は足を止めた。孤児院の前身である───この寺院は、白炎様の死後いつの間にか建てられ、白炎様には与り知らないものだと仰っていた。それなのに────

「ここを────子供たちを…、護ってくださるのですか…?」

 白炎様が、私の肩から下りたので、反射的に左腕を差し出すとそこにふわりと留まる。白炎様は身を翻して真正面から、私の顔を覗き込む。

<ああ。…どうだ、喜んでくれるか?>
「勿論、護ってくださるなら────とても、嬉しいです。ですが…、白炎様はお生まれになったばかりです。ご負担になりませんか?」
<この寺院が建つ敷地内に、悪しきものを入れぬようにするだけだ。我は神ぞ。そんなこと造作もない。だから、我が神子よ、我に任せてくれ>
「それならば────お願いします、白炎様。どうか、ここを───子供たちをお護りください」
<うむ、我に任せておけ。其方の大事なこの場所を───大事なものたちを、悪しき輩に害させることなど、決して許しはせぬ。其方が与えてくれたこの“白炎”の名に懸けて────>

 新年度になれば、皇都を離れることになる。古代魔術帝国のセキュリティーは施したものの、それでも、この孤
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