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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十五章―それぞれの思惑―#2
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鷲掴みにして、持ち上げた。
振り向くと────“仁王”と見紛う形相のレド様が、白炎様を片手で掴み上げて佇んでいた。
これは、相当お怒りでいらっしゃる…。
「リゼの優しさにつけ込もうとは────いい度胸だな…、神よ」
レド様の声音は、まさに地を這う冷気のようだ。白炎様は羽根を羽搏かせて暴れるが、レド様の手は緩まない。
「ルガレド様、その“神”は寂しくていらっしゃるようですから、番でも宛がっては?コカトリスなんかどうでしょう?」
「それでしたら、オレが狩ってきますよ。そいつにお似合いの───獰猛で活きのいい奴を生け捕ってきます」
何故かレド様に同調しているジグとレナスが、同じく地を這うような低い声で提案する。
「それはいいな────神よ、それなら寂しくないだろう?“深淵”で共に暮らすといい」
そう言って笑う三人の笑顔は、とても似通っていた。この三人、最近、本当に仲がいいよね…。
「白炎様…、申し訳ございません。私は───レド様と添い遂げることを心に決めているのです。ですから、白炎様のお傍に
侍
(
はべ
)
ることは
適
(
かな
)
いません。
ですが───私は、白炎様の神子なのですよね?離れていても繋がっておりますし、もし、また────“禍”に侵されるようなことがあっても、必ず助けに参ります。もう二度と────“深淵”で独り耐えなければならないような事態にはさせません。だから…、どうか、ご安心ください」
レド様に掴まれたままの白炎様に目を合わせて、私は言葉を────紡ぐ。
白炎様は、暴れるのを止めて、器用に溜息を
吐
(
つ
)
いた。レド様が力を緩めたのか、白炎様は拘束から逃れ、再び私の腕に留まる。
───相分かった───
───だが、時折でいい、我にも会いに来てくれぬか───
───ただ繋がっているだけでは、寂しいのだ───
「ええ、お約束します」
表情はないはずなのに、白炎様の様子が孤児院で待っていてくれる子供たちを彷彿とさせて、私は笑みを零して頷いた。
時間を見つけて、必ず会いに行こうと決める。
「ちゃんと会いに行きますから、待っていてください」
白炎様は、私の言葉が嬉しかったのか、さっきのように私に頬ずりをする。今度はレド様も止めなかった。
◇◇◇
「しかし…、リゼには本当に驚かされる」
白炎様との話がついたので、厨房へと場所を移し、皆でお茶を飲む。
レド様は今日はロルスの授業を受ける予定だが、ロウェルダ公爵邸に向かうには時間が早過ぎる。
いつもなら皆で鍛練をするところだけど、先程、私が新たに会得してしまったアレについて、急遽、話し合いをすることになった。
「神を転生させたと思ったら、“
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