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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十三章―愚か者たちの戯言―#3
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ることもできるの。────呆れたわ。あんた、本当に出仕すらしていなかったのねぇ…」

 女官長に心底呆れ果てたように言われ、ダムナは怒りで赤くなった。

 女官長は、ベイラリオ侯爵の口利きでこの皇宮に入り、それをいいことに威厳が感じられそうな仕事や楽な仕事しかしないことで有名だった。

 そんな人間に、まるで自分が怠惰であるかのように言われ、ダムナの胸の内は怒りでいっぱいになる。

 ダムナは、自分は仕事をしていないのではなく、理不尽な目に遭っているのを耐えているだけなのだと本気で信じていた。

 そして────ルガレド皇子に、女官長以上の怒りを感じた。勝手に解雇をするなんて、あんまりではないか。これまで侍女でいてやったのに…。

 そんな、裏切られたような────恩を仇で返されたような気になって、怒りがさらに募った。

 ダムナは怒りのままに、女官長に挨拶することもなく、黙ってその場を離れる。ずかずかと荒い足取りで、ルガレドのみすぼらしい邸を目指した。

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