第三話
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「それが命令ですので。それに、今の私は革命軍の一員です。天狗組織の一員ではありません」
「そうですか……なら、本気で行かせてもらいますよ?」
そう言って文は葉団扇を椛に向けてかざすと、彼女に負けないくらいの殺気を出し始めた。
「文!椛さんはおそらく……」
「わかっています。椛はもとからプライドが高いうえにそう簡単に敵に屈することなんてありません。何かをかばうためにアレをつけてるんでしょう」
「……どうするんだ?」
「ここは私に任せてください。俊司さん達は先に行っててもらえますか?」
「……わかった。無理はするなよ」
「大丈夫です」
軽く笑みをこぼしながらそう言う文に向けて、俊司は軽く相槌を返すと妖夢と霊夢を連れて先に進み始めた。椛は奥に進もうとする三人を見ていたが、追いかけようとはしなかった。
「私たちを殺しに来たんですよね?」
「はい」
「なら、俊司さん達を追いかけようとはしないんですか?」
「全員とは言われていません。それに追いかけたところで文さんが止めにかかるでしょう」
「それはそうですが……まあいいでしょう。さてと……覚悟はよろしいですか?」
「それはこっちのセリフですよ文さん」
椛と文はそれぞれ武器を構えると、相手の方をじーっと見つめ警戒心を高め始める。
数秒間の間が一分にも二分にも感じ、辺りが緊張感でつつまれはじめていた。
「しばらく辛抱してくださいね……椛」
文はぼそっとした声でそうつぶやくと、一気に地面を蹴って駆け始めた。
「文……大丈夫だろうか……」
「心配しなくてもいいわよ。天狗は天狗なりにいろんなことを抱えてるんだから」
「それもそうだけどな……」
「そんなことより、何か見えてきたわよ」
そう言って霊夢が指さす方向に大きな建物が見え始めていた。
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