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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十一章―ルガレドの実力―#2
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は立ち上がり始めたオーガに肉迫し、その首を刎ねていく。

 蹴りに巻き込まれなかったオーガがこちらに近づいているのが判ったが、レド様がそのオーガに向かっているのに気づき、私はオーガの数を減らすことに集中する。

 レド様と二人、お互いの補助をしつつオーガを屠り続け、大分オーガの数が少なくなったとき────それは現れた。

 この集落の長である、変異種────オーガロードだ。

 オーガロードは、通常のオーガの1.5倍ほどの体格をしていた。通常のオーガが約2mくらいなので、オーガロードは約3mくらいか。

 武具は何も持っていない。

 オーガは───オークや二足歩行の魔物すべてに言えることだが───武具は扱うが、鍛冶ができるわけではない。オーガたちが使用している武具は、大抵が人間から奪い取ったものだ。

 オーガロードが扱えるような大きな武具は造らない限り存在しないので、徒手で戦うしかないのだろう。

 【(アストラル)(・ヴィジョン)】で確認したところ、オーガロードの肉体は、魔獣には及ばないものの、魔物にしてはかなりの魔力を内包し、その魔力によって強化されているようだ。

 だけど、私の───レド様の敵ではないな。

「リゼ、こいつは俺がやる」
「では、残りのオーガは私が引き受けます」
「頼んだ」

 オーガロードが、対峙するレド様に向かって、怒りの雄たけびを上げた。

 オーガの荒い造りのログハウスや、集落を囲う森の木々が、びりびりと震え、木々に巣くっていたらしい鳥型の魔物などが飛び立っていった。

 オーガロードがレド様に突進していく。体格の割には素早いが───あんな単純な動きでは、レド様に当たるはずもない。

 私は、レド様を念のため気にしつつも、オーガの残党を狩るために向かった。オーガたちが、オーガロードの雄たけびにより委縮しているうちに、私は次々に接近して首を刈り取っていく。

 ようやく正気に戻ったらしいオーガに反撃されたが、私は少し身体をずらしてそれを避け、攻撃を避けられ体勢を崩したオーガの首を落とした。

 すべてのオーガを屠り、レド様の方を見遣ると────ちょうど決着がつくところだった。

 レド様は、オーガロードの片足を斬って転ばせたようだ。そして、地面に倒れ伏したオーガロードの首を、一気に斬り落とした。

 魔獣を相手にしていたレド様にとって、やはり魔物では敵にもならなかったみたいだ。多数のオーガを相手にしていたさっきの方が、手間取っていたかもしれない。

「生き残りはいないようだな」
「そうですね」

 レド様と二人で状況を確認していると、ジグとレナスが寄って来た。

「お疲れ様です、ルガレド様、リゼラ様」
「お二人ともおケガはないよ
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