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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第八章―護るべきもの―#1
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な魔術も発動しないですね。戦闘用の魔術は問題なく使用出来るようですが」
「リゼラ様がよく使用されている【換装(エクスチェンジ)】という魔術、あれが使えたら非常に嬉しかったんですが…」

 何で発動すらしないんだろう?【現況確認(ステータス)】が使えなくて───登録出来ないからなのかな?

「…………………」

 ふと周囲が静かになったので───顔を上げると、何だか妙な雰囲気が漂っていた。

 え、何この雰囲気。何か────レド様が不機嫌になってる?

「レド様?」
「……リゼ、そんなに使用しているのか?【換装(エクスチェンジ)】を」
「え、ええ。便利なので…。それに緊急時に有用なので、慣らすためにもよく使うようにしています」
「……そうか。────それで?レナスは、それを────何故知っている?」

 レド様の声が地を這うように低い…。

「…レド様?ほら、言っていたじゃないですか。私の為人を確かめるために観察してたって。それに、二人は私たちの護衛ですよ?知っていてもおかしくないでしょう?」
「っそ、そうですっ」
「別に覗いてたわけでは────」

 いや、まあ、覗いてたんじゃないのかな────と、ちょっと思ったけど、レド様が考えるようなことではないはずだ。

「それに、ジグとレナスからしてみれば、私なんて子供に過ぎないと思いますよ?」

 だって、レド様が生まれたときから護衛しているのだから、若く見積もっても───40歳に届かないくらい?
 それなら、16歳の私なんて、子供にしか見えないだろうし。

「…あれ、ジグ?レナス?」

 ジグとレナスが、何だか打ちのめされたような表情をしている。あ、もしかして、おじさん扱いされたと思ってショックを受けてる?

「リゼ…」

 レド様が、私を呆れたように見ていた。何故?

「そ、それより、どうして【換装(エクスチェンジ)】も使えないのでしょうね?登録出来なくても、武具の入れ替えは出来ても良さそうなものですけど…」

「……ジグ、レナス、先程入れ替えを試みた武具は、何処に置いてある?」

 私の問いかけに、少しだけ考え込んだレド様は、何か思いついたみたいだ。

「この邸の中の隠し場所ですが……」

「それでは、今度は、俺が手に持っているこの剣とレナスの手の中にある短剣を替えてみてくれ」
「…わかりました。やってみます」

 レナスが、レド様に言われたとおりに、【換装(エクスチェンジ)】を発動する。

「!出来ました」

 レナスの足元に現れた魔術式が消えた後には、レド様の剣と、レナスの短剣が入れ替わっていた。

「…もしかして、取り寄せるものや入れ替えるものが認識できないのが原因ですか?」
「おそら
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