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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第七章―拠りどころ―#2
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さか8年近くも────」

 後を続けたもう一人が、悔しそうに唇を噛みしめる。

「では───今姿を現したのはリゼが来たからか?」
「はい。リゼラ様が来られたことにより、ようやくオレたちも、陰で護るだけでなく手助けが出来ます」
「姿を現さなかったことにお腹立ちかもしれませんが────どうか、我々がお仕えすることをお許し願えないでしょうか」

 レド様は緩くかぶりを振る。

「いや、先程は責めるような言い方をしてすまなかった。主である爺様が亡くなったのに、放棄せずに8年も俺を護ってくれていたことに感謝する。そして、俺に仕えたいと言ってくれる、その気持ちにも────」

「では────」
「ただ、一つ条件がある。ここにいるリゼラも俺と同じように護ることだ」

「レド様!?」

 彼らはレド様の護衛だ。それに、私はレド様の婚約者とはいえ、親衛騎士なのだ。

「それは言われるまでもありません。リゼラ様は、ルガレド様の妃となられるお方であり、ファルリエムの名を継ぐお方です。我々は、ルガレド様同様に、リゼラ様を主としてお護りする所存です」
「リゼラ様のことは、あらかじめ調べ、そして、この一週間、失礼ながら為人(ひととなり)を見ておりました。リゼラ様は主として仰ぐに相応しいお方です。命をかけてお護りすることに異存はありません」

 二人は跪いたまま、レド様だけでなく私に向かってそう告げて、(こうべ)を深く垂れた────

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