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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第六章―約束―#2
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だって、やっと出てきた出来損ない令嬢が物珍しかっただけではないですか?」

 この二人、絶対、私への欲目が入っている。

「…リゼ、本気で言っているのか?」

 あれ?───レド様やおじ様だけでなく、何でロヴァルさんまでそんな残念な子を見るような目で見るんですか。

「殿下、リゼには忠告しても無駄のようです。殿下がお気を付けてあげてください」
「ああ、勿論だ。他の男など、リゼに近づけさせるつもりはない。それにしても───ジェスレムはどうしてくれようか。あの金ピカ公女で満足していればいいものを」

 舌打ちでもしそうな感じで、凍てついた表情のレド様が吐き捨てた。
 き、金ピカ公女って───もしかしなくてもイルノラド公女のこと?



「さて、次に何かあるとしたら────年度初めかな」

 この世界は、不思議なことに、前世と同様1日は24時間、1年は365日で日数の区切りはほぼ同じだ。太陽と月があって、昼と夜があり、季節があるのも同じ。

 ただし、月は一つではなく三つあり、一つだけは毎日のように昇り、あとの二つはどういう周期なのか不定期に昇るが同時には昇ることはない。

 三つの月が同時に昇る日が年に一度だけあり、しかも、ずれることがないので、この国ではその日を年度初めに制定している。


 次の年度初めは、約3ヵ月後。成人したからには、レド様にも何かしら辞令が下るはずだ。

「やはり、辺境へ行かされる可能性が一番高いか?」
「そうなると思います。本当は公務に戻って欲しいところですが、皇妃一派が許さないでしょう」

 現在は、第三皇子であるゼアルム殿下一人が公務を担っている状態だという。

 ジェスレム皇子は公務などしないし───しても、返って周りの負担になるだけのようだ。

「それでは、そのように準備しておかなくてはなりませんね」

 この3ヵ月で、出来る限りのことはやっておかないと。

「そうだな。────ロウェルダ公爵、頼みがある。この国…いや、この大陸の情勢や経済状況、それから領地経営などを学び直したい。講師を手配してもらえないだろうか」
「ああ、それなら適任者がもうすぐこちらへ到着します。────リゼ、財務管理を学びたいと言っていただろう?実は、ロルスが来てくれることになったんだよ」
「えっ、ロルスさんが?───でも、ロルスさんは領地で隠居していたはずでは────」
「それがねぇ、リゼの先生役になれる者が誰かいないか探してたら、ロルスがどこからか聞きつけて、自分がやるってはりきっちゃってね。すでに向かっているそうなんだ。二日後には着くと思うよ」

 は、早い。

「リゼ、そのロルスというのは?」
「ロヴァルさんとロドムさんのお祖父さまで、先々代ロウェルダ公爵の
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