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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第五章―夜会とお披露目―#3
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何かが引っかかった気がした。────何だろう?今、何が、気になった?

「リゼ?どうした?」
「あ、いえ…。何でもありません。───それより、魔術の検証ですが、何処でするのかが問題なんですよね」
「そうだな。結局、それだな」

 何かいい方法はないかな、と思いながら、視線を漂わせていると、ふとパントリーの扉が目に入った。

 あ、そういえば、パントリーを【解析(アナライズ)】したとき───

「リゼ?」

 私が突然、【現況確認(ステータス)】を投影したので、レド様が驚いたように私の名を呼んだ。

 ページをどんどん進んで、単語に指で触れて次の項目を辿っていき───しばらくして、目的の記述を見つけた私は、レド様に笑顔を向けた。

「レド様、訓練場所、何とかなりそうです────」


◇◇◇


「すごいな、これは…」
「本当ですね…」

 私とレド様は、()()()()()()()()、邸の地下空間に来ていた。

 そう、これも【特級(エクストラグレ)支援(ードサポート)】の一環で、支給品の一種だ。パントリーを【解析(アナライズ)】したとき、『申請すれば拡張可能』と記されていたので、他の空間の拡張も出来るのではないかと思って確認したら、“支給可能事項”の中にこの“調練場”があったのだ。

 地下に繋げて、入り口と階段をつけることも出来たが、なるべく邸の状態を変えたくなかったので、【転移門(ゲート)】を設置して、それで行き来できるようにした。

 広さは、サンルームも含めた邸の面積目一杯に合わせてあるので、かなりの広さになっている。高さもエントランスホールと同じくらいとってある。

 古代魔術帝国の技術で、物凄く頑丈に出来ているらしく、どんな威力の魔術を使っても傷つくことすらないらしい。

 その上、時間の流れを調整できるらしく、外と調練場内の時間の流れをずらすことで、じっくり鍛練をすることが出来るとのことだ。…凄すぎるよね。

 それにしても、こんなものまで支給されるなんて、何だか…────

「“拠点”に“調練場”─────これは、まるで戦場に赴く者への支援のようだと思わないか?」

 私の考えを代弁するかのように言ったレド様に、私は頷く。

「はい。それに、あのパントリーの仕様といい、【遠隔(リモート・)管理(コントロール)】といい、何だか、長く帰れないことを想定しているみたいな感じですよね。───守護者がただ主を護るだけにしては、大仰(おおぎょう)過ぎます」

 使えるようになった魔術の傾向からも、感じてはいたのだ。この支援システムは護るためよりも、戦うことに特化している───と。

 それに加
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