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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二章―ルガレドの邸―#5
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スツールが一つずつ、側に置かれていた。────何か、玄関ポーチと同じ魔術でも施されていそうだ。

 最奥である壁目一杯に浴槽が造り付けられている。結構深さがあり、階段も造り付けられていた。成人男性二人が足を伸ばして入れるくらいの広さだ。

 浴槽を囲う三方の壁と天井は、全面が窓枠ライトになっている。

「朝風呂をしたら、気持ち良さそうですね」
「ああ。でも、きっとエントランスホールやサンルームと同じ仕様になっているだろうから、普通に夜も楽しめそうだ」
「ふふ、星空の下でお風呂に入っている気分を味わえそうですね」
「…っああ」

 不意にレド様がぎこちなく顔を逸らしたので、私は首を傾げた。

「レド様?」
「…、次へ行こう」
「?はい」


◇◇◇


 ベッドルームへと戻って、ドレッサールームへと向かう。

 ドレッサールームは水回りの方と同じ広さだが、仕切られておらず、一室として使われているようだ。そのため、広く感じてしまう。

 入って左側には、扉の横から壁まで、オープンタイプのハンガーラックが並び、そこにはドレスやワンピースが所狭しと掛けられていた。おそらく、セアラ側妃のものだろう。

 入って右側の壁には、装飾の施された額縁のかなり大きな鏡が壁付けされている。

 その向かい側の壁には、ハンガーラック寄りに大きめのキャビネットが置かれ、その横に二人掛けほどの猫足の華やかなソファが置かれている。

 キャビネットには、アクセサリーなどの装身具、靴下や靴が修められているらしい。

 扉の向かい側、つまり鏡の横と、鏡の前の天井部分には、かなりの大きさの窓型ライトが施されていて、鏡の前は明るく照らされていた。きっと、鏡で全身を確認するときに見やすいようにだろう。

 鏡の横の窓型ライトの隣から壁まで、カウンターが造り付けられていた。

 カウンターの天板部分には切り込みと蝶番が施されていて、大きなドレッサーだと気づく。

 ドレッサーの蓋は三分割されており、それぞれ、上に開くことができるようだ。お揃いのスツールもあった。ドレッサーの上にも窓型ライトが設えられている。

「俺の部屋も、この部屋とまったく同じ造りだ。ベッドや壁の色や家具なんかはちょっと違っているが」

 これでお邸ツアーは終わり────ということかな。

「リゼには、この部屋を使ってもらおうと思っている」
「え?」

 このセアラ側妃が使っていたお部屋を?

「で、ですが、レド様にとって大事なお部屋なのでは────」
「大事な部屋だから────リゼに使ってもらいたい。俺には…、こんなことくらいしかしてあげられない」
「レド様……」

 そんな風に考えることないのに…。
 でも────レド
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