7.降谷さんの朋友。
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私がすみませんと言ってしまってからのほうが松田さんの表情は険しい。
「だって、人ひとりの将来がかかっています。簡単に他人が口を出して良い訳は……」
「……簡単に、じゃねぇだろ」
……え? 思わずぽかんとしてしまった。
「お前は……。色々考えたんだろそれ。結構キたわ」
私は、何も言えない。
その間は、私が自分の命を笠に着たことに気付いておられるからじゃないですか?
「報復じゃねぇつもりだったさ、本気でな。だが……思った以上に冷静じゃなかったみてぇだな。情けねえ」
「ま、松田さ、ん……?」
そんな顔をさせたかったわけじゃない。
私今首を振ることも難しいのです。鞭打ちとか寝違えっぽいものなのかな。
「事件の最中ずっと許さねえと思ってた。そして……捕まらなかった。ならいっそ俺がやると思った」
てことは……今現在の特殊犯係に不安をおぼえてしまったのですね。でも最初単独犯って認識だったせいじゃなかったっけ……。
あ。
本件については、私が犯人は二人組のおじさんって情報を流してもらってましたね……単に現場に情報が届くのが遅かったのかな。もっと早く伝えればよかった……。私があけた間にそんなに意味はなかったのだから。
私が余計なタレコミをしたのが裏目に出ているのではないでしょうか……ラノベでよく見た、バタフライエフェクト的なもので原作の強制力みたいなものが、働いたり、なんたり……いいえ、いいえ! ここは、現実です。
ともかく。
「報復じゃないじゃないですか。それは使命感でしょう」
私は眉を下げて苦笑する。
「報復って多分攻撃的なものです。だけど、犯人を捕まえられたら、私が『もしも』なんて思ってる『警察への復讐』なんてそもそも起こらないじゃないですか」
もしも松田さんの転属が原作よりももっともっと早かったら……第二の事件が起こる前に検挙できるのかもしれない。彼は第二の事件の暗号が届いたそばから解いて、そして、第三の事件を思えば3秒前のヒントも暗号だっただろうに、即座に解いてメールを送っている。そんな人が、事件直後から犯人を追えていたら。
この世界では萩原さんは殉職しなかった。だからもしかしたら、上層部から仇討ちだとみなされる程度も重くないかもしれない。
フッと、松田さんが、笑った。
「爆処に使える奴が来たら、異動して即とっ捕まえてやる」
「応援しています。もしその時に私が使える奴になれていたら、ご協力させてください」
「……それはお前の復讐か?」
多分、そんなことを思っておられるわけじゃない。ただの冗談のようなもの。だってニッと不敵に笑っていらっしゃるから。
「分かりません。だけど……爆弾は、ものす
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