7.降谷さんの朋友。
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なかった私も、本当は報復対象な気がする。しかも……それが分かる人は周りには誰もいない、という……まるで詐欺だね。隠すしかない私の悪行のひとつ。
「……!」
お二人ともすごく驚いた顔をなさった。ど、どうしてだろう……。
けれど続きがあるんです。
「でも、私個人としては、あんまり……ええと、報復ってことは、爆弾犯を追いたいってことですよね?」
特殊事件捜査係の詳細を私はよく覚えていない。
「爆発物処理班のままじゃ、駄目なのですか? 犯人は……また爆弾事件を起こしそうな気がするんです」
「何だと?」
「根拠が無いわけじゃないですよ」
今回の爆弾事件で、私の『何となく不安』なんて発言で降谷さんと諸伏さんが動いてくださったのを聞いていらっしゃるかもしれないけれど、それには敢えて触れない。
「犯人のお一人は、警察が確保を焦って死なせたと聞いています」
お二人とも少し眉間に皺を寄せて俯いてしまった。
「それこそもうお一人の犯人は、復讐を考えているのではないでしょうか」
「……っ」
本来の私なら気づけないことなんじゃないかなと思う。前世の記憶チートです。
更には、本当に原作の通りになるとは限らない。だけど、どうしても、あの未来が怖い。
「だとすると、同じような手でやろうとするんじゃないかと思うんです」
お二人は考え込むような仕草をしている。
「爆発物って、資格がないと扱えないんですよね?」
「……ああ」
松田さんが、頷いてくれた。
「防護服とかも、爆発物処理班じゃないと用意できないんじゃないですか?」
「そうだよ」
萩原さんが、頷いてくれた。
「……今は新人のお二人に任せるしかない状況だって、機動隊のかたが仰ってたのを……聞いています」
単に人がいないのか、この世界がやたら爆発するせいで人手不足なのかは……分からないけど。
「もしまた、二つ仕掛けられたら……大変なことに、なりませんか……?」
松田さんは眉間に皺を寄せて瞑目した。萩原さんは苦笑している。
「……もしも、でしかないですけど……怖い、です」
本当に怖くはあるのだけれど、嘘の泣き落としに近いと思うから心が痛い。
実際に爆発した瞬間その場にいた人間の言葉はきっと、暴力と言っていいくらい強い。
お二人とも黙り込んでしまった。
「あ、あははは……口出しなんかしてすみません」
心が痛い。
ハアァァと松田さんが特大の溜め息をついた。思わず私は身を縮める。
「……今回受理されなかったら、後輩ができてからにする」
「!! ……すみません」
「何で謝る」
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