7.降谷さんの朋友。
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が無理たぁなァ……」
松田さんが何故かげんなりした視線をくれます。悲しいです。
「と、ともかく、です!」
なんだか微妙? な雰囲気にそわそわして、私は話を変える。
「ゼロさんは本当に、何で皆さんをこんなに集めちゃったんですか?」
それに関してはまだ、きちんと具体的なことを言ってもらってない。だから聞かなきゃいけないのは本当。
「お前ら、汀が普通じゃないことをするのは分かっただろう?」
「……あぁ……」
普通じゃないこと。《 防御 》を使って、実際に見てもらったのはきっと話をはやくしてくれる。
「それ以上に、無茶ばっかりする奴なことも、分かっただろう?」
「オゥよ」
「うん、メチャクチャ分かった」
松田さんが即答し、萩原さんが神妙に頷き、諸伏さんは渋面ぎみに苦笑し、伊達さんは苦笑いしていた。
なんでそこは勢いがいいんですか!
「汀は重大な危険に対抗する手段を持ってはいるが、その使い方に自信がなく、しかも世の危険を知らない。だから、お前たちの知識と経験を借りたい」
「使い方に自信がない?」
「ものを知らないから、分からないまま悪いことに使うのを怖がっている」
「……あー、なるほどそういう……」
萩原さん、その言いかたに納得しちゃいますか!
「世の危険を知らない、ねえ……」
「自分に何ができるかはある程度分かって来たみたいだが、対する危険についてがまるでわかっちゃいない。例えば今回でいえば爆発の瞬間さえ防護を固めていれば大丈夫だと思っていたふしがあるところだな」
「ウッ……」
それについてはぐうの音も出ません。
「こいつは、自分の持つそれらの危機回避手段を、内に秘めて過ごす平穏を捨てた。その覚悟に報いたい。協力を頼む」
そう言って少し頭を下げる降谷さん。
皆びっくりしている。もちろん私も。
「来年度の警察学校入学を待ってたらこいつは無知のまま死ぬ。だから俺たちで鍛えたいんだ」
「そうだなあ……汀ちゃん、四月まで大人しくしてくれる気は全然しないもんなあ……」
萩原さあん……。
「それにあれだろ、首輪外して芝生に放ったら柵越えてマグマに突っ込んでくタイプだ」
なんですかそれ松田さん。
「所轄の俺にどこまで協力できるかは分からないが、やれることはやるよ」
そっか、伊達さんはこの頃はまだ警視庁にはいらっしゃらないんだ。
現場ってめちゃめちゃ忙しいんだろうな……米花町からは遠いのかな?
ていうか、ここにいる皆さん全員普段忙しいよね……。
「……ありがとう」
降谷さんの笑顔が綺麗です。
「ありがとうございます……!」
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