7.降谷さんの朋友。
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ごく、怖かったです。できるなら未然に防ぎたい」
松田さんはまたフッっと笑った。
「だがお前は零の協力者だ。勝手に連れてったら怒られるだろ」
するりと、病室のドアが開く。
「汀はきっと、僕に伺いも立てずに特攻するよ」
「零、お前いたのか。そして聞いてたのか。笑えるぜ……」
「気配消して盗み聞き? 降谷ちゃん何してるの」
萩原さんと松田さんがとても面白そうに笑っています。
「失礼ですね。きちんとお伺いしますよ。そして駄目だって言われても行きます」
「……余計始末が悪い」
私が抗議すると降谷さんが渋面になりました。
「ゼロさんは表立った捜査ができませんよね。そして多分管轄も違うんですよね? それなのに今回は無理して私に付き合って下さったんですよね……本当に、ありがとうございます。……私は民間人だから管轄とか関係ありません。協力者って、民間人だからこそ動ける点もあってのものじゃないですか?」
「そういう部分もあるにはあるが……」
「私は皆さんに色々教えていただくのですから、皆さんに報いたいです。困ったことがあったらお力になりたいです。もしなれるなら、ですけど……」
へへっと萩原さんが笑った。
「けど解体自体は汀ちゃんが言った通り、国家資格とか色んなものが必要だからさせられないよ」
「それはプロがお二人もいらっしゃるのですから私の仕事ではありません。私は犯人を追うことにご協力したいのです」
「なるほどねえ」
萩原さんが優しく笑っておられます。頑張れたらいいなあ。
「そのためにも、ご指導のほどよろしくお願いいたします」
お辞儀ができないのです。くそう。
「ああ。まずは爆発でどうなるかとかから教えてあげるよ。俺も退院まであと少しかかるみたいだから」
萩原さんは丸まっていただいていたとはいえ足や手に包帯が巻かれていて松葉杖を持っておられます。
これも、『爆発の瞬間さえ防護を固めていれば大丈夫だと思っていたふしがある』だった私の考えが浅かった部分によるものなんだと思う。それ以前に、本当に生存できるくらいダメージカットできるかどうかは私にも分かってなかったんだよね。それなのに爆弾自体の消滅を計らなかったのはきっと博打だった。
ゲームでの《 防御 》は、『防御無効』+『大ダメージ』+『硬直』という性能の、近接職が持つ強力なスキルでHP満タンからさえ落とされる可能性のある脆弱なものです。もし現実の爆弾がそういうものだったら私は確実に死んでいて、萩原さんの壁にはなれなかったでしょう。
ゲーム内での『防御無効』スキルに爆発系のものがなかったからというのは、この現実ではゲームと違う効果を持つものが多々あるようでしたから
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