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12月の期末テストまで私達は、図書館の自習室とか翔琉君ンチで勉強した。翔琉君のお母さんも我が息子の変わり様に驚いている様子だった。
私は、刺繍糸で手首に着けるミサンガみたいなものを作っていた。急 こしらえだったので簡単なものだけど、翔琉君とお揃いなのだ。同士という証なのだ。翔琉君も文句も言わず着けてくれている。
テスト用紙が配られる度にそれを上から握り締めて翔琉君のほうを見たのだけど、彼もそれに応えてくれているようだった。合間の休憩時間に、白浜美蕾が翔琉君に話し掛けるんだけど、彼は心落ち着かせたいから話し掛けないでくれって、ビシッと突き放していたのだ。それで、心地良かったけど私には別の目標があった。
すべてのテストが終わった時、私達は眼を合わせていて、出来たよね ウン 大丈夫と 言っているのがわかった。
「水澄 なんか すごいね どんどん書いていてさー 今までと ぜんぜんちごーぉたやんかー」と、智子ちゃんも帰り道で
「うん 最後やしー トップ 狙ろうてたんやー」
「はぁー トップ・・・宮川君の上かぁー?」
「そうやー トップってゆうたらトップや 翔琉には負けるかもしれんけどなー」
「そーゆうたら ふたりで頑張ってたみたいやもんなー 水澄がこんなに頑張るって知らなんだ 美蕾ちゃんが現れてからだよね 対抗心 むきだし」
「そっ そんなことないよー 別に 意識してないモン」
「ウチに 見え見えのウソはやめなー 声が上ずっている」
そして、冬休みも近づいた時、私と翔琉君はふたりで河道屋先生に呼ばれて
「あなた達の仲の良いのは好ましいと思っているのよ 励まし合っているみたいネ 香月さん 石田三成って知っているよねぇー」
「はい! 生まれたのは滋賀の長浜のほうとか」
「そうねぇー どこのお城のお殿様になったの?」
「もちろん 生まれ育った長浜です いいお殿様で 城下の人達にも慕われたとか」
「あっそう 欅原君 合ってる?」
「ええ 最後は悲運の人でしたが 豊臣のために尽くしたとか」
「そう どこで あなた達 間違った知識を覚えてしまったのかしらー それも 二人揃ってー・・・ テストで同じとこ間違えているの 長浜は羽柴秀吉よ 三成は佐和山城 こんなことで同じように間違うなんてー 算数でもあったの 同じところの間違い 席が隣同士だから・・・疑いたくなるでしょう?」
「先生 私達 そんなー・・・」
「そーです 疑われるようなことしてないです」
「ふふっ 信じてるわー 二人を・・・ 一緒に勉強したのね 期末テストの結果がね 香月さんが1番 2番は欅原君 3番は宮川君だったわ 彼は今までず〜っと1番だったのよね でも入試を控えて、いつも通りでも1
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