第51話
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チ監督は困惑の表情でそれぞれの疑問を口にした。
「”メンフィル帝国に対する瑕疵”とは”今起こっている出来事そのものよ。”」
「”メンフィル帝国に対する瑕疵は”今起こっている出来事そのもの”って一体どういう事よ…………」
「…………!アルマータとギャスパー社長の暗躍によってこのサルバッドで薬物汚染が広まっているかつ”黒幕”であるそちらの二人が捕縛・討伐・撤退のどれにも当てはまっていない状況でもなお、映画祭を開催するように動いたのはシェリド公太子殿下だったわね…………」
ルファディエルの答えの意味がわからないユエファが困惑の表情で疑問を口にしたその時何かに気づいたマルティーナがジェラールとメルキオルに視線を向けながら真剣な表情である事実を呟き
「あ…………」
「なるほど…………サルバッドからアルマータの脅威が去っていない事を知りながらも映画祭の開催を強行した結果、映画祭を利用したアルマータによる”異変”が起これば、映画祭の開催を強行した人物――――――シェリド公太子殿下がメンフィル帝国に対しての”瑕疵”を作ってしまうことになりますね。」
「だが、公太子の話だと映画祭の開催にはメンフィルの許可を取ったって話じゃねぇか!だったら、当然映画祭の開催を許可したメンフィルにも責任があるだろうが!?」
「ああ。だが黒幕――――――『アルマータの脅威がサルバッドから去っていないと知っていながらも映画祭の開催の為に自ら動いた殿下』と、『映画祭の開催を強行した殿下による交渉で映画祭の開催を許可したメンフィル』…………この場合責任の比率で言えば、残念ながら殿下の方が高くなるな。」
「そ、それよりも…………何故メンフィル帝国がシェリド殿下――――――メンフィル帝国に対するサルバッド公国の”瑕疵”を作るような事を…………」
マルティーナの推測を聞いたフェリは呆けた声を出し、納得した様子で呟いたリゼットの推測を聞いて真剣な表情で声を上げたアーロンの反論にヴァンは真剣な表情で指摘し、アニエスは不安そうな表情で更なる疑問を口にした。
「それは…………」
「クク…………アークライド、話によるとテメェは相当な情報通らしいな。”表”と”裏”、どちらにも染まらずその”狭間”を保ち続けているテメェなら今の”叡智”が話した推測を聞けば、そこの金髪の小娘が口にした疑問が”メンフィルの真の警戒対象”に繋がっている事にも気づけるんじゃねぇのか?」
「”メンフィルの真の警戒対象”…………?」
アニエスの疑問にロイドが複雑そうな表情で答えを濁している中不敵な笑みを浮かべたガルシアはヴァンに指摘し、ガルシアのヴァンへの指摘にフェリは首を傾げ
「…………メンフィル――――――いや、メンフィル・クロスベル連合から北カルバ
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