第二章
[8]前話
「前から名前も書いてるしな」
「首輪にね」
「それに加えてだよ」
「GPSもなのね」
「付けたよ、これでだよ」
「若しシロが脱走しても」
「居場所がすぐにわかってな」
そうなりというのだ。
「連れ戻せるよ」
「そうなるのね」
「大人しい娘だけれどな」
「ニャア」
家族の傍にちょこんと座っている当人ならぬ当猫がここで鳴いた、佐藤はその彼女を見てさらに話した。
「本当にだよ」
「念を入れてなのね」
「一緒にいないとな」
「家族だからよね」
「そうだよ、シロは僕達の家族だよ」
シロを見つつ温かい目で話した、そしてだった。
一家はシロと一緒に暮らしていった、そんな中である日シロが家の中で見当たらなくなったが心配する息子にだ。
父は笑ってだ、こう言った。
「安心するんだ、家の中にいるよ」
「そうなの?」
「GPSを見たら」
スマートフォンでそれを確認するとだった。
「うちだよ」
「じゃあおうちの何処かにいるの」
「そう、だから」
それでというのだ。
「今はね」
「うちの中を探せばいいんだ」
「そうしよう」
こう話してだった。
シロを探すと妻のベッドの中にいた、布団を上げるとそこで丸くなっていて出て来た瞬間に顔を上げて鳴いた。
「ニャア」
「ここにいたね」
「そう、GPSがあれば」
父は息子に笑顔で話した。
「こうしてだよ」
「楽に探せるんだね」
「例え脱走しても」
そうしてもというのだ。
「見付けられるからね」
「だからだね」
「安心して」
そうしてというのだ。
「そのうえでだよ」
「探せばいいんだね」
「こうしてね」
「GPSってあると便利だね」
「文明の利器は使うものだよ」
息子に笑顔で言った、そうしてだった。
この時風呂に入っていた妻にも話すとよかったわねと笑顔で言われた、そしてシロはそんな家族と一緒にいたのだった。
猫の首輪に 完
2024・9・21
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