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星河の覇皇
第八十七部第二章 膠着状態に入りその五十九

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「福祉以上ですね」
「福祉以上に予算を減らせません」
「我々という敵が前にいますので」
「連合が」
 自分達が敵としているからだというのだ。
「ですから」
「とてもですね」
「軍事費は減らせないですね」
「むしろさらに増やしたいところですね」
「エウロパとしては」
「軍事費と福祉予算が多い」
 エウロパの国家予算の四割を占めているというのだ。
「これをどうするか」
「そのうえでどう発展するか」
「そのことが問題ですね」
「エウロパにとっては」
「そしてサハラも」
 オムダーマンそしてティムールもだった。
「今は軍事費が多いです」
「それが国家の発展のネックになってきました」
「ですがそれをどうしていくか」
「そのことですね」
「そのことが問題ですね」
「統一されれば」
「間違いなく減らされます」
 あっさりとこう言われた。
「やはり」
「そこはそうなりますね」
「絶対に」
「平和になれば多くの軍事費は不要です」
「しかも大きな脅威が存在しなければ」
「エウロパにとっての我々の様な存在がいなければ」
「そうなります」
「我々にしても」
 連合にしてもというのだ。
「別に、ですから」
「はい、エウロパなら兎も角」
「サハラとは何もありません」
「因縁も国益の衝突もありません」
「ですから」
「サハラと対立することは」
「まずありません」
 その理由がないからだというのだ。
「ですから」
「これといってですね」
「サハラとはですね」
「対立することはないので」
「サハラとしても」
「エウロパとは対立していますが」
 それでもというのだ。
「エウロパが敵なら特に巨大な軍は必要ありません」
「そして多くの軍事費も」
「それならですね」
「あの国もですね」
「統一すれば」
「多くの軍事費を減らします」
「そうなります」
 間違いなくというのだ。
「そして国家の発展に多くの予算を投入し」
「急激な発展を遂げますね」
「アッディーン大統領もシャイターン主席も政治的にもかなりの人物ですし」
「人材も揃っています」
「そうなりますね」
「まるで」
 一人のアジア系の士官がこう言った。
「明治維新の時の日本の様な」
「ああしたですね」
「急激な発展を遂げますね」
「華々しいまでの発展を迎え」
「今の貧しいサハラも」
「それもですね」
「はい、一変します」
 統一すればというのだ。
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