第二章
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「胡散臭い、怪しい」
「そんな風だな」
「まあテキ屋さんも稼ぎあるしな」
「稼がないと生きていけないしな」
「それにヤクザ屋さんの世界だしな」
「実はな」
「そうそう、元々こうした出店ってね」
梅原は友人達に応えて話した。
「ヤクザ屋さんのはじまりなんだよね」
「テキ屋と賭場はな」
「どっちもお寺や神社でやるけどな」
「そうした界隈そこでヤクザ屋さんとつながってな」
「色々あるんだよな」
「それでね」
そうであってというのだ。
「そうした胡散臭いものもね」
「あるよな」
「今はどうか知らないけれどな」
「テキ屋もヤクザ屋さんなんだよな」
「賭けごとの世界と同じで」
「そうなんだよね」
こうした話をしつつだった。
皆で出店を回っていった、その中で。
梅原も友人達も射的や輪投げを行いカードも買った、そして焼きそばにたこ焼き、フランクフルトに綿菓子にクレープにりんご飴にとだ。
色々食べた、梅原は買ったいひやし飴を飲みつつ言った。
「楽しいよ、あとは家に来ている従弟にお土産買うか」
「そうするんだな」
「確か従弟の子って五歳だよな」
「まだ子供だよな」
「だからお面でも買って帰るよ」
こう言ってだった。
梅原は実際にお面屋で今放送中の仮面ライダーの主人公のお面を買った、そのうえで友人達と別れてだった。
家に帰った、そして従弟の昭太郎自分そっくりの顔の彼にお面をあげて言った。
「お土産だよ」
「有り難う、お兄ちゃん」
従弟はお面を貰って笑顔で応えた。
「大事にするね」
「そうしてね、そして明日もお祭りあるから」
従弟に優しい笑顔で話した。
「一緒に行こうか」
「お祭り連れて行ってくれるの」
「そうしよう、花火もあるし」
「一緒に行こうね」
「そして楽しもうね」
笑顔のまま言った、そしてだった。
今度は従弟と一緒に祭りに行って出店を楽しんだ、確かに胡散臭いものも感じる。裏家業の匂いを。だがそれでも彼は楽しんだ、従弟と共にそうして花火も見たのだった。そして最高の気持ちで一緒に家に帰ったのだった。
テキ屋の秘密 完
2024・9・20
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