暁 〜小説投稿サイト〜
非日常なスクールライフ〜ようこそ魔術部へ〜
第134話『ミラーハウス』
[6/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


「誘拐とか?」

「それにしてはいなくなった人数が多すぎる。そんな馬鹿な真似はしないと思いたいが……」


仮に『大量誘拐』が目的だとすれば、もはや世紀の大事件である。いくら魔術界隈に仇なす存在とはいえ、そんな野性的な策を取るとは思えない。
しかし、他に理由が思い付かない。もしかして、敵をスサノオと仮定しているところから間違っているのだろうか。実は外国のマフィアとか……。


「何にせよ、いなくなった人達を探さないと」

「当てはあるのか?」

「鏡男に直接訊く……とか?」

「それはリスクが高い。俺もさっきまでそれが最善だと思ってたが、状況が変わった。"鏡移動"で逃げ回る上に、"反射"に加えて"複製"なんてされたら戦力でも絶対敵わない。奴と接敵するのはむしろ避けるべきだ」

「じゃあどうするの?」

「鏡男を介さずに連れ去られた人達が見つかるならそれが最善だが、戦闘(バトル)が避けられないなら作戦が必要だ。そのためにも、何でもいいから情報が欲しい」


焦る晴登を伸太郎が制す。確かにこんなことをしでかしておいて、鏡男がわざわざ姿を見せるとは考えにくい。姿を見せたとして、容易に口を割るとも思えない。


「かと言って、出方を窺って色々手遅れになるのもマズい。やっぱり黒木先輩の機転と辻先輩の刀が必要か……」


最終的に鏡男と戦闘(バトル)になることを見据え、伸太郎は戦力を集める方針のようだ。
昨日のアーサーみたいに味方の魔術師が偶然ここを訪れてくれれば良かったのだが、そんなうまい話はない。だが、策は授けてもらっている。


「そういえば、監視役の人がいるって」


アーサーが言うには、日城中学校の外部から監視を行ってくれる人が既にいるらしい。その人物とコンタクトを取れれば、魔術連盟に応援を要請することも可能なはずだ。


「どうにかして外と連絡が取れれば……」

「でも電話が繋がらないって誰か言ってたよ?」

「え、そうなの?」

「電波が阻害されてるのかもな。魔術で閉じ込めてるならそれくらいはできるだろ」


打開に繋がると思った策は早くもお蔵入り。こちらの不手際というよりは、相手の用意周到さに脱帽だ。完全に相手の手の中に閉じ込められている。万事休すなのか──


「──見つけた、晴登!」

「うわ、大地! どうしたの!?」


全員が考え込む中、晴登を呼ぶ大声が割って入る。声の方を見ると、こちらに向かって大地が走ってきていた。かなり慌てているようで、晴登の元にたどり着くなり、汗を拭うよりも先に晴登の肩を掴む。


「どうしよう晴登、優菜ちゃんが……鏡に吸い込まれちまった!」

「何だって……!」


──急がないと、本当
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ