第二章
[8]前話
「僕達は怖い犬もいるけれどおおむね穏やかじゃないかな」
「君もそうだね」
「狼が元々怖くない生きものだから」
「犬さん達になれたんだね」
「そうだよ、だから狼さん達は無闇に怖がらなくていいよ」
「満腹なら何もしない」
「市場でお肉を買えたらね」
そうだとです、ケップはピーターラビットにお話しました。そして彼が帰ってからご主人が出してくれたドッグフードをお腹一杯食べました。
その後で、です。ケップはお家の中で家鴨のジマイマと一緒にいましたがそこでピーターラビットとお話したことを彼女にもお話しました。
そのうえで、です。彼女に尋ねました。
「僕は怖いかな」
「あんたが?」
「どうかな」
「優しくて穏やかよ」
ジマイマはすぐに答えました。
「いい子よ」
「そうなんだね」
「狼と違ってね、けれどその狼はね」
それはといいますと。
「あくまで私の昔のイメージよ」
「実際の狼さん達は違うんだよね」
「怖くも残酷でも欲が深くもないわ」
「どちらかというと穏やかだね」
「そうした生きものね」
「そうだね、犬は狼さん達からなったから」
「同じ様な性格ね」
こうケップに言いました。
「そのことはわかっておかないとね」
「そう言ってくれて嬉しいよ、狼さん達が怖いとか言われるとね」
「犬としてはよね」
「親戚を馬鹿にされている様に思ってね」
それでというのです。
「よく思えないんだ」
「そうよね」
「だからね、皆狼さん達に正しい認識を持ってくれるなら」
「あんたとしては嬉しいわね」
「とてもね」
笑顔で言うのでした、そしてです。
ケップは今度はお水を飲みました、お水も満足するまで飲むとそれで終わりでした、狼の様にそうしました。
ケップのお話U 完
2024・2・28
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