第三話
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「ちっ……よりによって不老不死のほうに当たったか。第二目標ならまだよかったが……」
完璧な奇襲だと思い込んでいた革命軍は、予想外の事態に少し戸惑いを見せいていた。そんな彼らを隊長らしき男が落ち着かせると、すぐさま次の作戦に移ろうとする。
だが再び彼女達を見た兵士達の士気が上がることはなかった。
「たっ……隊長! やつら姿を消しました!」
「なっ……そんなはずは……」
部隊の隊長は双眼鏡を使い3人を使認するが、3人の姿をとらえることはできない。見えていたのは地面にこびりついた血だけだった。
「まだ近くにいるはずだ! 探せ!」
「了解!」
兵士達は周囲を警戒しながら、少しずつ彼女達がいた場所に向けて歩き始めた。
「撃って……こない?」
周囲を警戒しながらこっちに向かってくる彼らを見ながら妹紅はそう呟いた。
実際のところ彼女達は全くと言って動いていなかった。というより傷ついたまま彼女を連れて姿が見えない場所まで逃げるのは無理だろう。ならなぜ彼らはこちらを見失ったのだろうか。
少し考えていた妹紅は、何かに気がついたのかふと鈴仙のほうを見てみる。すると案の定鈴仙の目は赤く光っており、彼らに何か細工を加えているようだった。
「鈴仙……なに……してるんだ?」
「波長を操って私たちを見えなくしてます。妹紅さんは早く傷を治してください……」
鈴仙の波長を操る程度の能力を使えば、相手の注意力や気分等を直接いじる事が出来る。そのため目の前の兵士達と鈴仙達が発している波長をいじることで、むこうはこちらの存在に気付けないのだ。
「てゐ。少しの間時間を稼ぐから、その間に向こうが何人か偵察してきて」
「おっけー。まかせてよっ……と」
てゐは勢いよく飛び上がると、竹から竹へと飛び移りながら兵士の数を数え始めた。
「よけている間に被弾したってことは、右にいた私をねらってたんですね……もっとよく確認しておけば……」
「しかたないさ。私があの時気づけただけでもましさ」
妹紅の言うとおり、あの時気付いていなければ鈴仙の命はなかったかもしれない。それに光の反射がなければ気付けてなかったのだ。へたすればそのまま全滅の可能性もあっただろう。
しかし余計な事を考えている暇はない。とにかく現状を何とかしないと、永遠亭に戻ることも困難だ。
「数えたよ!10人くらいだね。それに相手のほとんどは軽装ぽかったし、疲労がたまってるみたい」
幸い敵は一小隊分だけのようだ。これなら三人でも十分戦える。だが使用する武器と銃の弾速からして、まだ相手の方が有利と言えよう。
「よし鈴仙、私だけ相手に見えるようにしてくれるか?」
妹紅は急に立ち上がるなりそう言った。
「えっ……でも……」
「もう大丈夫だからさ」
妹紅の右わき腹にぽっかりと開
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