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そして、出発の当日。私は、お母さんが買ってくれた大きな向日葵の絵柄のサマーワンピースにリボンの付いたカンカン帽に革紐の白い厚底サンダル。とりあえず小さめのキャリーケースをお父さんから借りてきていた。昨日は、お母さんが翔琉君ンチに今回のことのお礼に伺ったみたいだった。
「水澄 可愛いよ 孫にも衣装とは よく言ったものだ」
「なによー ワンピースが可愛いのぉー? 美蕾ちゃんとはどっちがー?」
「あほっ やっぱり こだわってるんやないかー いや 水澄のほうが・・・ずっと」と、翔琉君は横を向いて小声で応えていたのだ。
「やっぱり 女の子は可愛いわよねー 水澄ちゃん お花が咲いているみたいよ 似合ってる 男どもは可愛げもない恰好で・・・」と、翔琉君ンチのおばさんがフォローしてくれていた。翔琉君のおばさんと子供達4人組。翔琉君のお父さんはひとりでゆっくりしたいからと来なかったのだ。
大阪駅まで出て、サンダーバードで福井まで行って、お昼ご飯に名物だというソースカツ丼のお店に。
「う〜んん おいしいぃー このサクっとした感じ このタレの微妙な甘さ加減 もしも こんなおいしいものが御昼に控えているかと思うと 君達も練習頑張れるよなー」
「なっ なんだよー その上から目線は・・・」
「だってさー 毎度 バーガーばっかーじゃー メタボになるよ この良質なたんぱく質をとらなきやー」
「水澄 えらいお気に入りだなー」
「うん おいしい お母さんにも食べさせてあげたい お土産に買って帰ろうかなー」
「あぁー あー 帰りにな」
それから、電車で終点の三国港へ。駅が近くなるにつれて、私は潮の香りを感じていた。
「あー 海が近いよねー いい感じ 海に来たんだ!」と、私は手を広げて はしゃいで走り出していた。
「おぉーい 転ぶぞー」
「あたっ」と、私がしゃがみ込むと
「ほらっ だからぁー どうした?」と、翔琉君が駆け寄ってくれて、背中に手を
「うん 石がサンダルに挟まったみたい でも ダイジョウビ!」
「バーカ はしゃぎすぎ」
「だって 海が近いんだものー うーみよー 私の海よー」
「バカ」
ビーチを横目に15分程歩いて、おばさんの実家というとこに着いた。おばさんの実家は以前は漁師だったいうが、今はもう廃業したということだった。そのお父さんは今は漁協の関係者らしいが、そんなに仕事もしていないということだった。
「お世話になります」と、私はお母さんから持たされた三笠焼とカステラの菓子折を出して
「はぁーなぁー そんなに気ィ使わんでもなー 可愛らしいお嬢ちゃんだのーぉ 硝磨のガールフレンドかぃ?」
「あっ あっ ちゃうよー 翔琉の・・・」と、硝磨
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