邪神ちゃんドロップキック
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な?」
「本当になんなの?」
ゆりねは怪訝な目線でハルトとコウスケを交互に見渡す。
「邪神ちゃんがいるから、変なことなんてしょっちゅうよ」
「例えば白い変な小動物になんか勧誘されたとか」
「白い小動物? なにそれ、見てみたいわ」
ほとんど表情が動かないながら、ゆりねの目は少なからず好奇心が芽生えている。
令呪なし、監督役との遭遇なし。
そこから導き出せる結論は。
「外れか……」
「少なくとも今は、マスター……参加者じゃない」
安堵したようながっかりしたような。そんな表情がハルトとコウスケの間に走る。
それを見た香子が「ちょっと」と口を尖らせた。
「何よ。折角祐太が案内してあげているのに、何が不満なのよ」
「ああ、悪い悪い」
謝るコウスケをしり目に、ハルトは「花園さん」と改める。
「もしかしたら今後、白い小動物が接触してくるかもしれない」
「白い小動物?」
「何ですの? 可愛い感じがしますの」
邪神ちゃんのコメントを無視しながら、ハルトは続ける。
「いい? 例え願いをかなえてくれるとか言われたとしても、そいつの話に耳を傾けないで」
「……つまり、それは喋るってこと? 喋る白い小動物に話しかけられたら、びっくりして話を聞くどころじゃないと思うけど」
「そもそも、そんな意味不明な生物に何を持ちかけられたところで、簡単に乗るわけないじゃないですの。バカじゃあるまいし」
「……おい、オレたちのことバカ扱いされてねえか」
「相手は俺たちの詳しい事情知らないからセーフってことにして」
ハルトはコウスケの横入を肘打ちで追い返し、続ける・
「いい? 約束してくれる?」
「? まあ、分かったわ。白い小動物に話しかけられても無視すればいいのね」
「これでゆりねが魔法少女に変身する展開は無くなりましたの」
「もうそんな歳でもないわよ、私」
おそらく二人は冗談でも言っているつもりなのだろう。だが、聖杯戦争監督役の副業がまさにその魔法少女の勧誘であることを考えると、ハルトとコウスケは全く笑えないのだった。
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