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現実世界は理不尽に満ちている!
第86話「荒らし殲滅プロトコル発動」後半
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 「撃て」

 惑星破壊兵器から放たれた黄色の光芒は、亜光速のスピードを維持し向かっていく。膨大な黄色の粒子ビームは、光の柱にも等しかった。《滅びの方舟》に”吸収”されていない、残骸となって漂うカラクルム級。その残骸を蒸発させながら、《滅びの方舟》の方舟まで向かっていく。
 そして、遂に目標へと到達した。轟音と共に、周辺に粒子を舞い散らせた。

 「撃て」

 スヴェート砲と惑星破壊兵器の二発目が、発射される。二千を超える光の矢が直撃する中、惑星破壊兵器からも砲撃が出され、その光芒は真っ直ぐと進んでいき、命中していった。

 「エネルギー充填中の〈スターダスト〉を除き、全艦隊は攻撃を中止せよ」

 「了解。全艦隊、攻撃中止」
 
 同時に、誰もがその変わり果てた《滅びの方舟》に見入る。

 「《滅びの方舟》、損傷あり。損傷ダメージは―――」

 無敵を誇っていた《滅びの方舟》には、確かに損傷が確認出来た。

 司令官は、笑みを零さずにはいられなかった。とはいえ、だ。流石に攻撃してこないのはおかしい。異常な程に上昇していたエネルギーが未だ健在だ。きっと何かあるに決まっている。
 司令官のその考えは、的を当てていた。

 「敵方舟のコアに変化あり。エネルギー収束率を観測!」

 「異常な数値です。波動砲をも上回っています、計測不能!」
 
 突如としてコアが紫色を伴ったと思えば、不気味な輝きを強めたのだ。

 「《滅びの方舟》、我が〈スターダスト〉に切っ先を向けています。おそらくはそれが…」

 司令官は、副官の言わんとしていることを察した。あれは、《滅びの方舟》は攻撃態勢に移行したのだ。嫌でも理解できる。
 
 艦尾側? の形状とその切っ先がこちらに向けられている。それを確認した司令官は、艦隊を惑星破壊兵器の後方に下げるよう指令。
 
 30秒が経過した時だった。”それ”が、やって来た。

 「《滅びの方舟》、巨大エネルギーを放出!」

 波動砲をも上回る強大なエネルギーが開放され、そのエネルギーは宇宙空間を席巻した。薄紫色、あるいはピンク色にも近しい輝きは巨大なエネルギー流となって、〈スターダスト〉の盾となっていた惑星破壊兵器に襲う。

 シールドの上位版であるフィールドを展開していたのにも関わらず、その防御を嘲笑うかのように、フィールドを貫通した。
 勢いは止まらなかった。それは、装甲すらも貫通した。巨大な穴を形成され、その直上に存在していた一つの惑星破壊兵器も同様の運命を辿った。

 そして、―――爆発四散した。

 その付近には、艦隊が展開していた。200隻以上の規模である。スヴェート砲を搭載するアクラメータ級とエターナルストーム級は、爆炎と爆散の余波に
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