第二章
[8]前話
「そうだったよね」
「心配で来ていました」
「足の怪我がかな」
「そうだったのね」
「そうなんだね、けれどね」
加藤はそれでもと返した。
「別にね」
「大丈夫だったんですか」
「だから治りが早くて後遺症もないから」
幸が言った通りにというのだ。
「だからね」
「それで、ですか」
「特にね」
これといってというのだ。
「問題なかったよ」
「そうですよね」
「二人だけだから言うけれど」
加藤はさらに言った。
「俺と付き合わない?」
「あの、それは」
「いや、もう告白受けたってね」
毎晩のそれから言うのだった。
「思うし」
「それで、ですか」
「俺から言うよ、返事っていいのかな」
「告白を受けたので」
「うん、今度の日曜何処に行く?」
「観たい映画ありまして」
幸は俯いて顔を赤くさせてもじもじしながら答えた、白いナース服もズボンもその赤さを際立てている。
「よかったら」
「じゃあメアド好感してね」
「ラインでお話しますか」
「今は退院してお家に帰るからね」
「加藤さんがお家に帰られて」
「御堂さんも帰ってから」
「今日は夜勤ないので」
幸はそれでと答えた。
「夜にお話しましょう」
「そうしようね」
二人で笑顔で話した、そうしてだった。
メールアドレスを好感してラインのそれもそうしてだった。
夜に二人で話した、そのうえで日曜に一緒に映画を観たがその映画は加藤も幸も一緒に心から感動するものだった。
ナースの告白 完
2024・9・15
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