第二話
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とおり大勢の外来人が一斉に現れることはかつてなかったことだ。幻想郷じたい博麗大結界に守られており、外来人はその結界を超えてくることはほとんど不可能だ。まあ例外もあるのだが。
「で? 博麗大結界で聞きたいことって?」
「じゃあまず一つ目。あいつらがここに来た理由なんだけど……幻想郷は博麗大結界でおおってるから出入りはほぼ不可能だよな。あいつらはどうやってここに来たんだ?」
素朴で単純な質問だったが、霊夢はそれを聞いて難しそうな顔をしていた。
どうやら彼女ですらここに来る方法が分からないらしい。博麗大結界が破られたわけでもないし、どこかに穴があったわけでもない。すり抜けてくることも不可能だ。
「……やっぱりそうなのか」
この答えは想定の範囲内だった。俊司も博麗大結界の効果は知っているし、破られていたとしたら外の世界で大ニュースにでもなっているからだ。
「確かに原因がわかるわけないわよね。あの守矢神社の人たちが来た時も、結局原因がわからなかったしね……何か別の方法があるってことかしら」
永琳の言うとおり別の方法があったと考えるのが妥当だろう。それでも博麗大結界を通り抜けるのが不思議で仕方ないが。
「……わかった。じゃあ二つ目。今霊夢は博麗神社を離れてるけど…大丈夫なのか?」
博麗神社もなくてはならない存在だ。あの場所は外の世界と幻想郷の世界の間なので、向こうの手に落ちてしまえば危険だ。しかし霊夢はなんの問題視もしていないみたいだ。
「ええ。それなら心配ないわ」
そう言って、霊夢は懐から数枚の札を取り出した。
「普段使ってる札以外にも沢山種類はあるのよ。で、この札がいま博麗神社周辺にばらまいてあるわ」
霊夢は数枚の札の中から1枚をつかむと俊司に差し出す。札は少し青がかった色をしており、中央にはなんて書いてあるかわからない文字が大量に書かれていた。彼女曰くこれが結界用の札らしく、ただの外来人ならば解除は無理とのことだ。
「なるほど……だったら大丈夫だな。聞きたいことは以上だよ。ありがとう」
「別にいいわ。聞きたいことがあるのはお互い様だしね」
話を終えた後、俊司は永琳に幽々子の事を伝えた。幽々子の様子からして問題はないだろうという結論になり、なんとか一安心と言ったところだ。問題があるとしたら夕飯の量くらいだろうか。
その後一同はたいわいない会話をしながら部屋をあとにするのだった。
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