第3部
サマンオサ
真実の鏡
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、目の前にいたボストロールがいなくなっていた。
??しまった!!
「ルーク!!」
未だ戦闘に参加していないルークに、ボストロールが向かっていく。ルークもまさか自分のところに向かってくるとは思わず、一瞬顔をしかめる。
ルカナンで対象者全員の防御力を下げられたので、ルークも例外ではない。もしあの力強い一撃をくらったら、いかに鍛えていたルークでも、ただではすまない。私は急いでルークのもとへと向かおうと踵を返した。
『死ねえ!!』
ボストロールが思い切り棍棒を振りかぶり、ルーク目掛けて襲いかかった。
ドガァァッッ!!
「ルークっ!!」
ボストロールの棍棒が、ルークの身体を直撃した、かのように見えた。だが棍棒が当たったのは、足元の床だった。
「こっちにさえ来てくれれば、いくらでも対処できる」
寸前で攻撃をかわしたルークは、身体を思い切り捻ると、いつの間にかパワーナックルを装備していた右手で隙だらけのボストロールの脇腹を殴りつけた。
『へぐぅっ!?』
その一撃は、さっきの私の一撃とは比べ物にならないくらいの威力だった。身体をくの字に曲げながらも、なんとか踏みとどまる。
「るーたん、やるぅっ♪」
近くにいるシーラが目を輝かせながら口笛を吹いた。ていうかいつのまにあだ名が変わったの!?
一方の私は、ルークの冷静な対処にほっと胸を撫で下ろした。大丈夫だ、やっぱりルークは私が思ってるより、ずっと強い。
「へっ、新入りに先越されちまったな、ユウリ!!」
ナギがユウリに向かって皮肉混じりに言うが、言われたユウリは無反応。
「ふん。一人間抜けなやられ方してるバカな奴よりはマシだな」
そう言いながらユウリは右手に力を込め、ボストロールに向かって手を突き出した。
「ベギラマ!!」
ボストロールの背後に向かって、ユウリが再びベギラマを放つ。だが、それに気づいたボストロールは、迫る炎を棍棒で叩き返した。
「……ちっ」
なんとなくユウリも、ルークの活躍を見て焦っているような気がする。二人とも意地っ張りだから、油断して戦闘に影響を及ぼさないでほしい。
「二人とも、落ち着いて!!」
私の一声に、ユウリとナギが振り返る。その険しい顔つきに、わたしはたじろいだ。
『お前に言われたくない!!』
……なんでこういうときは二人の息がピッタリ合うんだろう。私は突如生まれたイライラを無理矢理心の奥にしまいこんだ。
「だったらこれはどうかな? バギ!!」
本日二度目に放ったシーラのバギが、今度はボストロールに向かって放たれる。真空の刃が魔物の身体に傷をいくつも作るが、どれも浅く大したダメージには至ってない。
『こんなもの、くだらん』
すると、ボストロールの身体が突然光り始めた。その瞬間、バギによってつけられた傷がみる
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