第86話「荒らし殲滅プロトコル発動」前半
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にまで後退が完了。現在は、態勢を立て直している最中です」
「ふむ……」
《滅びの方舟》…。
このまま沈黙してくれればよいのだが…。
変わらず崩壊が続く《滅びの方舟》であったが……異変が起きる。崩壊していくと誰しもが思っていたのだが、崩壊という言葉が不適切だと悟らざるを得なくなったのだ。
「…ん?、こ、これは?!」
「どうした?」
不意に声を上げるオペレーターに、芹沢が尋ねる。
「彗星都市中核から観測される、異常に上昇していたエネルギーなのですが…」
「? それが、どうしたのだ?」
「一向に止む気配がありません!」
『!?!?』
まさか、とスクリーンを見つめた誰もが絶句した。
彼らは見た。
《滅びの方舟》の形が変化するのを。
彼らは見た。
《滅びの方舟》が悪魔と呼称してもおかしくはない姿へと変貌し、悪魔となったのを。
《滅びの方舟》のコアは確かに破壊した筈だ、何故…。
誰もが見えない手で心臓を、鷲付かみにされるかのような心境だった。
「新たな報告です!」
「今度は何だ?!」
「そ、それが…《滅びの方舟》後方に重力波を確認!」
「ガトランティスか!?」
「違います!ガミラスでもありません!これは、このワープアウト反応は…」
―――ブリリアンスです!
オペレーターの報告の直後、…”彼ら”はやって来た。人々は知ることになる。…ブリリアンスの本気を。
「ワープアウトします!」
その言葉と共に複数の青く輝くワープゲートが展開され、通常空間に姿を現した。
第二十四機動艦隊、第十五、第十六、第二十機動艦隊がワープアウトした。艦種はスヴェート砲を搭載したアクラメータ級戦闘航宙艦、そして同じくそれを搭載するクワオアー級改。更に、ヴェネター級スター・デストロイヤーの姿もあった。
ワープアウトした艦艇数は、実に千隻を越えた。
「ワープアウト更に続くっ!」
「巨大なワープアウト反応です!?」
巨大なワープアウト反応が確認された直後、青く輝く○字状のワープゲートが少数展開され、ズズズっと出てくる。
そこから出て来たのは、灰色の天体兵器だった。直径200kmのその正体は、惑星破壊兵器だった。数は一つではなく、3つ。
直後、惑星破壊兵器に続く形で艦隊が姿を現す。エターナルストーム級200隻と、漆黒塗装された艦隊旗艦―――エターナルストーム級U型改〈シエラ〉の到着である。
「月軌道にもワープアウト反応っ!?」
だが、まだだ。まだ、終わらない。月軌道にワープアウトしたのは、第三艦隊。3つの惑星破壊兵器、スヴェート砲を搭載した多数のアク
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