第85話「”彼ら”はやって来た」
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レム】は破壊された事により、【滅びの歌】が奏でられる。
バルゼー艦隊旗艦アポカリプス級〈バルゼー〉の艦橋にて、思考力を奪われていく状況下に戸惑いを隠せなかったバルゼーは、何秒か経たない内に前のめりと倒れ込む。
バルゼーの背後には、彼と共に屍へと変貌した副官と将兵の姿があった。
「敵ガトランティス艦隊、陣形乱れる!」
「敵ガトランティス艦隊、次々と戦列を離れる!」
「敵ガトランティスの通信途絶!」
「遂に、か。…全艦隊、戦線を離脱! 月軌道に集結せよ!」
これらの現象は全戦域に起こっており、連合軍将兵は困惑しつつも戦線の離脱を始めた。
【滅びの歌】でガトランティス人が死滅する一方、未だ死なぬ人物が一人だけ存在していた。ズォーダーである。
見渡すと、二人の人物が目に映る。
一人は【滅びの歌】により死滅した、ゲーニッツ司令長官。
もう一人はズォーダーを守り死んだ、先代大帝ガイレーン。
ズォーダーは視線を手にやり、手を開く手を握るを何回か繰り返し、ふっと笑みを零す。
「…やはり、か」
なるほど、知恵の実を喰らったガトランティスは只では死なないか。
ましや自分だけは死なない…のは当然か、”人間”になったのだから死ぬ筈がないか。
ズォーダーは古代進へと向きなおった直後、両手を大きく広げ、虚空へ向けて宣言する。
「―――我こそは人間。滅びの方舟よ、真の目覚めを!!」
同時に突風が大帝の間を襲い、その突風はズォーダーを運ぶように、上へ上へと少しずつ上昇していく。
ズォーダーは再度、決意を固める。
【創造主】の使命を果たそう。
ガトランティス軍人を生み出す、必要は無い。白銀の巫女は生贄として利用しよう。
何故ならば自らによって、遂行してゆくのだから…。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
『伝達! 伝達! ブリリアンス本部より緊急伝達!【荒らし殲滅プロトコル】発動!【荒らし殲滅プロトコル】が発動された! 繰り返す!―――』
『―――【荒らし殲滅プロトコル】発動!【荒らし殲滅プロトコル】発動! 目標、〈滅びの方舟〉! その一切を破壊せよ!!』
”彼ら”はやって来た。…”対象”を殲滅する為に。
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