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現実世界は理不尽に満ちている!
第83話「土星沖海戦」パート2
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色ガスを纏って不透明だった内部が、鮮明になりつつあった。これまでは白色ガスが纏わりついて、彗星に擬態化していたが、そのガスのみが爆発し、中の人工物が次第に姿を見せていった。

 私は感じた。その言い知れぬ存在感と恐怖感に。

 「あれは、惑星‥‥‥」

 最初に見えたのは、火星と同等を誇る惑星。

 「〈ヤマト〉の報告通り???ッ!!」

 それも、1つに限らず、全部で5つもの惑星が薄れつつあるガス層の中から姿を現した。白色彗星の中に5つもの惑星を内蔵していたとは驚きではあるが、驚くのはそれだけに留まらなかった。

 なんと5つの惑星の周囲に、別の影が見えて始めて来た。しかも、惑星を遥かに上回る規模の人工物であるよう。
 
 「あ、アレが、ガトランティスの正体……!」

 5つもの惑星を上回る木星規模の人工天体が、姿を現したのである。

 人工天体の天辺部分には、都市か何かを思わせるビル郡らしきものが聳え立っている。中央には1つのタワーが聳え立ち、2列ある赤い目が20確認出来る。巨大戦艦の艦首のようにも見える。

 天頂部分から下方へと延びる、幾つもの縦長構造物は、まるで脚か檻のようなものだ。

 木星規模を誇るアレは漆黒色に近く、青く輝く線が多々、至るところに走っている。

 何事も無かったかの如く、ガトランティスの拠点である白色彗星は少しずつ動き出す。その針路先には土星が重なっており、土星は白色彗星の重力場と強引な接触によって、文字通り崩壊を始めていく。
 
 以降はアレを、彗星都市帝国と呼称しよう。彗星都市帝国が進むだけで土星がバラバラになっていく様子は、十分な脅威と威圧を与えているよう。実際そうなのだが。

 こんな時は、あれだ。…後退するのみだ!

 「報告! 地球艦隊。波動砲への、エネルギー再充填を開始しました!」

 こんのッ、馬鹿もんがァァァアア!!!
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