第15話:命令する側の度胸が足りない……
[1/4]
[8]前話 前書き [1]次 最後
「なら、質問を変えよう。ただ、その前に言っておく、今から言う質問への台詞は『はい』と『いいえ』の2つのみとし、それ以外の台詞を申した者は作戦漏洩罪の名目の下……殺す!」
「馬鹿もぉーん!そんな事をしてる暇が有ったら―――」
豊臣秀吉は、目の前の兵士を思いっきり殴った。
「大事な事なのでもう1度だけ言う。今から言う質問への台詞は『はい』と『いいえ』の2つのみとし、それ以外の台詞を申した者は作戦漏洩罪の名目の下……殺す!」
それでも、目の前の馬鹿隊長は豊臣秀吉の言葉を無視して、ただひたすら民草に帰宅を強要するのみじゃ。
この場所が何時凄惨な戦場になってもおかしくないと言うのにだ。
「そこぉー!何をしているぅー!?外出禁止だぁー!早く帰宅せんかぁー!」
豊臣秀吉は、余計な事を言ったら殺すとハッキリ言った。
ならば……
「た!……たいちょおぉーーーーー!?」
あー、スッとした。
だってこいつ五月蠅いんだもん。
しかもこいつ……ほとんどの民草はこの隙に一目散に逃げだしおった。
心配するのは一部の兵士のみ。
こいつ、人望無いなぁー?
こいつ、普段から権力に物を言わせて威張ってたのが目に見えるわい。
で、こいつの事を対して心配しなかった男が豊臣秀吉の方を向いた。
「先程の質問の答え、ハッキリと言おう。『いいえ』だ」
「ちょっと待てちょっと待て。私はまだ、何も言っていないぞ」
どうやらこの男……先程豊臣秀吉に殺された馬鹿隊長よりは元老院に毒されておらず、それでいて芯が通っている様じゃな?
「君の質問の内容なら、既に知っている……我が軍からエイジオブ帝国が送り込んだあの島を倒す方法を訊き出そうとしたのだろ?」
この男、度胸もあるし搦手にも強そうだ。
ここまで言われたら、「言った」としか答えられないな。
「故に、この俺の口から出る言葉はただ1つ……『NO』だけだ」
呆れたな……
カイジンニキス港国元老院とやらが出した今回の強制帰宅命令、自国の民草を生贄にしてまで私達ムソーウ王国の足を引っ張り、その上でエイジオブ帝国相手に有利な交渉を行おうと言う……
領地のなんたるかを何も解っていない臆病マヌケ政治家が考えそうな愚策よ。
お陰でほれ、強制帰宅命令を無視して逃げ出す民草がどんどん増えておる。
「そんな事より、お前の所の民草、お前達の帰宅命令を無視して逃亡しておるぞ?」
「……そうだな」
「追わんのか?」
「はい!」
ここに来て、『はい』と『いいえ』の2つのみと言う制約が効きおった!
本当に意地悪なやっちゃなぁ。
「ならば、この質問に対しては『はい』と『いいえ』以外の言葉でハッキリと言ってくれ」
「……解った」
「お前にとって、軍隊とは何だ?」
男は、
[8]前話 前書き [1]次 最後
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ