当て
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?」
「……フロノヴァマスター見つけても今度はそれが待ってるってことか?」
「うん」
「……」
白目を剥いたコウスケは、口から泡を吐く。
水を口に含んで、せめてもと平静さを取り戻したハルトは、大きく息を吐いた。
その時。
「こ、コウスケ? 生きてるか?」
恐る恐るの声色で、コウスケの横から声が聞こえてきた。
目を移せば、そこにはこの場に相応しい、男子大学生の姿があった。
オレンジのパーカーが目立つ青年。平凡な顔付きだが、その表情には心配な心境が現れていた。
「えっと……コウスケの知り合いか?」
「ん? ……ああ、祐太か」
顔を上げたコウスケは青年の姿を認める。
お互いに軽く手を上げた挨拶を交わし、祐太と呼ばれた大学生は席に座ることなく「何してんだよ」とコウスケに尋ねた。
「そんな死んだような目して……あ、初めまして。コウスケの知り合いですか?」
「どうも。松菜ハルトです」
おそらく彼はハルトを大学生だと解釈したのだろう。「どうも」と会釈をしたところで、コウスケが彼を紹介する。
「ハルト。コイツは瀬川祐太。ダチで……ほら、この前大学で保護した子いただろ?」
「大学で保護した子? ……ああ、えりかちゃんに会いに来た時の」
大学で迷子になっている女の子の姿を思い返しながら、ハルトは頷いた。
「それじゃあ、あの子が言っていたおいたん……?」
「ああ。俺のことだ」
祐太は頷いた。
「叔父と姪が日常的に一緒にいるのってなかなかないよね……」
「アンタがひなを助けてくれたんだ。ありがとうな」
ハルトの呟きは、周囲の喧騒で祐太には届かなかったようだ。思わぬプライバシーへの配慮のなさを誤魔化せたことに内心安堵しながら、ハルトはほほ笑んだ。
「うん、何もなくてよかったよ」
「本当にありがとう。何か礼をさせてくれないか? 飯でもおごらせ……」
それ以上彼が何かを言うよりも先に、コウスケがその腕を掴んだ。ぎょっとした顔を浮かべた祐太は、「こ、コウスケ……?」と口を震わせる。
だが、祐太の「礼」という言葉を彼なりに都合よく解釈したのだろう。鬼気迫る表情で、祐太へ詰め寄る。
「祐太! 情報! 情報を……情報をよこせ!」
「何々!? 落ち着けって!」
祐太がコウスケの肩を抑えるが、文字通り獣のような目つきのコウスケは
「探してるヤツの情報を求む!」
「何なんだよ、それにお前じゃなくて、ひなを助けた松菜さん……でいいよな? そっちにお礼をしたいんだからさ!」
「あー、いいよ。俺の代わりに、コウスケの望みを叶えてあげてくれると俺も助かる」
それを言った途端、ハルトは失言だったと後悔した。
ハルトの許しを得たコ
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